内定先への年賀状は送るべき?その書き方は?

内定先への年賀状は送るべき?その書き方は?

新年を迎えるに当たり、お世話になった人、お世話になる人に送るのが年賀状。
日本では新年を迎えたら次に来るのは「新年度」ですね。
新年度といえば入園、入学、そして"入社”を迎える人が多いと思います。

就職内定先年賀状をについて不安に感じている方は、下記をチェックして参考にしてくださいね。


記事の監修者
中 川  越 〈なかがわ・えつ〉

中川越

プロフィール
1954(昭和29)年 東京品川生まれ。手紙文化研究 、コラムニスト 、イラストレイターとして幅広く活躍。
古今東西、有名無名を問わず、各種手紙に取材し、手紙の在り方、表現の工夫、コミュニケーションの本来について、日々探求を続けている。
中川  越 ホームページ

目次

内定先に年賀状を出すべき?

とくに新社会人ともなると、学生時代とは全く違ったマナーや責任感、意欲が求められます。
年賀状ひとつとっても、友人に送るのとは違う「マナー」を強く意識することになります。

必死に就職活動を行い、見事内定を勝ち取った人が4月からの入社に備えるこの時期、「内定先に年賀状を送るべきなのか?」や「もし年賀状が内定先から送られてきたらどうしよう」と考える人も多いようです。
また、学校の就職課から「年賀状を内定先に送りなさい」という指導を受けるケースもあるようです。

結論としては、「年賀状は気持ちの問題なので、必ずしも送る必要はない。ただし内定先から送られてきた場合はマナーの意味で出したほうがいい」というところでしょう。
年賀状を出さないから仕事上の評価が減点、ということはまずないでしょうが、年賀状を送ることで生まれる親愛や信頼が仕事上よい効果を生むということは社会人になると非常によくあることです。

また、年賀状を出さずに逆に内定先から年賀状が届いて気まずい思いをするというケースもあるので、そうならないようにするためには、積極的に年賀状を送るのがよいでしょう。

年賀状が届いていやな気分になることはないので、内定先へのアピールにもなります。
年賀状を出す場合は元日に届くよう12月25日までにポストに投函すると、丁寧さが伝わりより好印象でしょう。
学校の就職課から指導を受けている場合は、就職課の担当の方と内定先とのつながりがあったりすることもあるので、就職課の方の顔を立てる意味でも送るべきでしょう。

全部手書きがよいの? 印刷はダメ?

手書きでないと絶対NG!という会社はほぼ無いようです。
ただし送るからには自分の意欲を伝えるためにも、フォントを使った挨拶状でも、数行の手書き文章などを添えるのがよりよいでしょう。
なお、書き損じてしまったときには、修正液などを使うのはNGです。
手間と費用は増しますが、改めて新しいはがきに書き直します。それだけ十分に礼を尽くす必要と価値のある年賀状です。

宛名の書き方

筆記具には万年筆やペンを使いましょう。ボールペンや鉛筆はNGです。ただし、美しい筆跡が期待できる高級ボールペンは、使用してもよいでしょう。
個人的にお世話になった方に送る場合は「○○部 ○○(個人名、ご担当者など)様」
人事部など、部門に送る場合は「○○部 ○○課御中」と誰宛かを明確に記載します。
返信の場合も同様です。
自分から送りたいけど誰に送ったらいいかわからない場合は、採用説明会を担当する人事部や総務部宛に送るのがよいでしょう。社長宛に送っても「誰からの年賀状?」と不審に思われかねません。

ただし、社長の名前で年賀状が送られて来た場合は「○○会社 代表取締役社長 ○○様」と書きましょう。
学校の先生になる方などは教育実習の担当の方に「様」の代わりに「先生」とつけましょう。

デザインはスペースがあるものを選ぶ

複数の年賀はがきを出す時、すべてを手作りというのは大変です。
印刷済みの年賀はがきを使っても失礼には当たりませんが、必ず数行の直筆のメッセージを加えるようにしましょう。

絵柄はカジュアルすぎるものや派手なもの、キャラクターものは避け、メッセージを書けるようなスペースがなるべくシンプルなものを選びましょう。

内定先への文例とふさわしくない賀詞

年賀状を出すからにはしっかりとした目的を持って文章を作りましょう。
まず伝えたいのは「採用をしていただいたお礼」、そして「来年に向けての自分の意気込み」を伝えるとよいでしょう。
「ご指導」「努力」「精進」などは使いやすいフレーズです。
「入社の日を待ち望んでいます」「身の引き締まる思い」と心境を表すことばも効果的です。
賀詞についてはこちらで紹介していますが、目上の方ということで 「謹」「恭」の入った4文字の賀詞を使用します。
2文字の賀詞は目上の方には失礼にあたります。2文字の賀詞のデザインは避けましょう。

内定先への年賀状 例文

謹んで新年のお慶びを申し上げます
このたびはご採用くださり誠にありがとうございました
直接お会いして就職の実感を得てからは身の引き締まる思いでいっぱいです
未熟ではありますが4月からご指導ご鞭撻をいただけますと幸いです
どうぞよろしくお願いいたします


謹んで新春のお慶びを申し上げます
○○大学の□□でございます
面接の際には大変お世話になり、誠にありがとうございました
卒業そして入社を控え、新たな意欲に燃えているところです
入社の日が一日でも早く来ますようにと待ち望んでおります
至らぬ点多いと思いますが、どうぞよろしくお願いいたします


恭賀新年
○○大学△△学部の□□でございます
今年は大きな慶びに包まれた新年を迎えることができました
それも貴社の内定を頂戴出来たからです
晴れて入社させていただいた後には一刻も早く皆様のお役に立てるよう
精一杯精励する決意ですので何卒よろしくお願いいたします


また返事として送る場合は、年賀状をいただいたお礼を必ず加えましょう。

謹んで新春のお慶びを申し上げます
○○大学の□□でございます

早々に年賀状を頂き恐縮しております 有難うございました

新年を迎え 社会人という新たな世界を前に身の引き締まる思いが致しております

改めてご指導のほど何卒宜しくお願い申し上げます

もし返事が遅れてしまったら寒中見舞いを出す

年賀状は、「松の内(1月7日・もしくは15日)」までに到着するようにしましょう。
でも学生時代最後の冬休みだからと、スキーなどを満喫していて、新年は家にいなかった!ということもあるかもしれませんね。
そういった場合は「寒中見舞い」を送りましょう。書く内容は年賀状より、相手の体調を気遣うような文面としましょう。


寒中お見舞い申し上げます

昨年 内定を頂きました〇〇と申します
入社が近づきますます身の引き締まる思いでございますが 精一杯努力してまいります
何卒 ご指導のほどよろしくお願い致します

喪中の場合

喪中で年賀状が出せなかったが内定先から年賀状が届いた場合は

寒中見舞いに喪中のため年頭の挨拶を控えた旨を記載するとよいでしょう。


寒中お見舞い申し上げます
貴社に内定を頂きました ◯◯大学の△△と申します

この度は年賀状を頂きまして 有難うございました
新年の挨拶が遅くなり 大変申し訳ございません 
昨年喪中のため 年頭のご挨拶を控えさせて頂きました

新年を迎え4月からの入社を前に気持ちを引き締めております
入社した際には 一生懸命精進してまいりたいと思います 

何卒よろしくお願い申し上げます

内定先へ失礼がないようよく見直してからポストに投函する

年賀状をポストに投函する前には最後に内容や宛先をもう一度見直し、誤字・脱字がないかしっかり確認しましょう。

とくに先方の社名や担当者名に誤りがあると非常に失礼にあたります。
万一書き誤った場合には、修正テープなどを使うのは失礼になってしますので、新しい年賀はがきに書き直したほうがよいでしょう。


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