【ビジネス編】上司にも失礼にならない年賀状のマナー・書き方・挨拶文の文例集
2024.10.15
新年の到来を祝う年賀状には、当然 基本的なマナーや、それにふさわしい書き方が求められます。 挨拶文も礼儀正しく、また簡潔にまとめなければなりません。友人や親戚ならある程度気楽に考えられる文面も、 目上の人やビジネスのお付き合いとなると、より注意深く考える必要があります。 とくにビジネス上の年賀状は書き方や言葉遣いにさらに注意深く配慮する必要があるでしょう。知らず知らずのうちに失礼にならないよう年賀状を送る際の注意事項や相手別の例文をご紹介します。
記事の監修者
中 川 越 〈なかがわ・えつ〉
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目次
宛名からきちんと意識して書く
ビジネス年賀状で意外とおざなりにされがちなのが宛名面です。
顧客や上司など目上の人に出す場合、住所は省略せずにきちんと都道府県から書くようにします。
また会社名に「株式会社」や「有限会社」などが付く場合は、(株)、(有)などと省略せずに、きちんと正式名称を書きます。
部署名や肩書きなども最新であるか確認し正確に書きましょう。
年賀状に限りませんが、役職や肩書きに敬称を付けるのは間違いですので、「 様」や「殿」は付けてはいけません。
「山田部長様」ではなく「経理部長 山田太郎様」と書くのが正しい書き方です。 会社名、法人名に送る場合は「御中」にします。
手書きする場合は、落ち着いてていねいに宛名を書くように心がけましょう。
悪筆が気になる場合は、あて名印刷サービスを利用するのもいいでしょう。
また、宛名を書く場合、ボールペンは使用しないほうがよいでしょう。
ボールペンはカスレやボテが出て、雑な印象になることがあるからです。(ただし、高級ボールペンの場合は、そのようなことがないので、使ってもよいでしょう)
お世話になっている方や、上司などへ送る年賀状は、万年筆やつけペンで書いたり、筆ペンなどを使用することをおすすめします。
上下関係を考えて書き方に要注意
ビジネス年賀状の宛先は大きく分けて、社外(顧客、取引先)に向けたもの、そして社内(上司、部下、同僚)宛のものになります。
上下関係の違いにより、当然挨拶文の書き方も異なるものになります。 敬語や謙譲語に間違いのないように十分注意しましょう。できれば書いた後に誰かに確認してもらうことをおすすめします。
上司などの目上の方に年賀状を送る際の賀詞
年賀状では「賀詞」というお祝いの言葉、決まり文句を使うのが一般的なマナーです。
目上の方への年賀状では「謹賀新年」が一番無難な賀詞でおすすめです。
「賀正」「迎春」はそっけなく、ていねいさに欠ける印象があるために、あまり使わないほうがよいとされています。
「謹賀新年」以外でのおすすめ賀詞
- 恭賀新年
「恭」という文字が、目上の人に「うやうやしい」という意味があります。
「うやうやしい」→「相手を敬って、礼儀正しくていねいであること」
- 謹んで初春のお喜びを申し上げます
「謹んで」という言葉が、十分敬意を払うという意味があるので、よりていねいな気持ちのこもった挨拶になります。
句読点は使わない
目上の人や上司や取引先など、高位の相手への年賀状の挨拶文では、句読点を使わないのが一般的です。
句読点は、読み方を助ける記号で、尊敬すべき相手を助ける行為は不遜だからです。
また、本来正式な挨拶文は、毛筆で書くものでしたから、毛筆の文章に句読点をつけることがありませんでした。
現在は句読点のない挨拶文にも、改行や句読点に相当する部分を一字空きにする形式が一般的ですが、本来はその一字空きさえもありませんでした。
なお、挨拶文に添える添え書き、コメントなどは、高位の相手には書かないのが本来の礼儀です。追伸にあたるコメントは、整わない手紙、ということになり、失礼だからです。
高位の相手への改まった手紙では、コメントで伝えたい内容は、本文にまじえ、整えるのが礼儀です。同等の相手下位への相手には、その限りではありません。
顧客宛の年賀状 例文(1)
謹賀新年
平素は格別のお引き立てを賜り有難く厚く御礼申し上げます
本年も変わらぬご愛顧の程よろしくお願い申し上げます
令和〇年 元旦
※ビジネス年賀状で顧客宛のオーソドックスなもの。礼儀を重んじた雰囲気の文例です。
顧客宛の年賀状 例文(2)
あけましておめでとうございます
旧年中は絶大なるご愛顧を賜り誠にありがとうございました
本年もご期待に添えますよう
全力で努めますのでよろしくお願い申し上げます
令和〇年 一月一日
※ビジネスパートナーの立場で感謝と抱負を述べた年賀状です。
取引先宛の年賀状 例文(1)
謹賀新年
旧年中は弊社業務に特段のご配慮を賜り誠に有難うございました
本年もお力添えの程よろしくお願い申し上げます
令和〇年 元旦
※取引先(業者)には日頃の協力に対して感謝を伝える文面にするとよいでしょう。
取引先宛の年賀状 例文(2)
謹賀新年
昨年は大変お世話になりました
お陰様で弊社も順調に営業いたしております
本年も格別のご高配を賜りますようくれぐれも宜しくお願い申し上げます
令和〇年一月一日
※自社の発展は協力してくれる取引先あってのもの。感謝と祈念を伝える文例です。
上司への年賀状 例文
謹んで新春のご祝詞を申し上げます
旧年中は公私にわたり大変お世話になりました
心より感謝いたしております
本年もご指導ご鞭撻の程よろしくお願い申し上げます
令和〇年 元旦
※日頃の感謝と新年のご指導ご鞭撻について伝えるオーソドックスな文例です。
上司への年賀状は親しき仲にも礼儀ありで、失礼にならないよう気をつけましょう。
部下への年賀状 例文
迎 春
貴君の昨年の活躍にはめざましいものがあり
私としても頼もしい限りです
本年も地道な努力で確実に成長してください
大いに期待しています
令和〇年 元旦
※部下の旧年中の活躍をたたえ、新年の飛躍を期待する文例です。
同僚への年賀状 例文
あけましておめでとうございます
昨年は公私にわたりお世話になりました
本年も力を合わせて社業発展のために頑張りましょう
令和〇年 元旦
※親しい同僚にはフレンドリーな内容も許されますが、仕事仲間としての立場を大事にします。
まとめ
顧客、取引先、上司、部下、同僚と、立場によって変わるビジネス上の年賀状をごく一例ですがご紹介しました。
いずれにしても上下関係をよく考慮して、適切な内容の文面を書くようにしたいものです。
同僚や部下、後輩などへの手書きの一言は、きっと喜ばれます。字が下手だから‥と思う方もいると思いますが心を込めてていねいに書けば、必ず思いが伝わります。
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