2023年の干支「癸卯(みずのとう)」にはどんな意味がある?

2023年の干支「癸卯(みずのとう)」にはどんな意味がある?

年賀状を準備する季節になるとよく交わされるのが「来年の干支は何だっけ?」という会話ではないでしょうか。
「干支」と言えばおなじみの動物たちを思い浮かべますが、この「干支」の正しい由来や意味について考える機会は少ないかもしれません。

ここでは、意外と知られていない干支にまつわる伝説や由来、そして2023年の干支である「癸卯(みずのと・う)」について説明します。


記事の監修者
中 川  越 〈なかがわ・えつ〉

中川越

プロフィール
1954(昭和29)年 東京品川生まれ。手紙文化研究 、コラムニスト 、イラストレイターとして幅広く活躍。
古今東西、有名無名を問わず、各種手紙に取材し、手紙の在り方、表現の工夫、コミュニケーションの本来について、日々探求を続けている。
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目次

「干支(えと)」とは何を指す?

「干支(えと)」=「十二支」と混同されがちですが、実は干支とは、十干(じっかん)と十二支(じゅうにし)の組み合わせによって成り立っているものです。
私たちが通常使う「ねずみ」や「うま」などの動物名は、十二支のほうを指しており、正確にはそれだけでは「干支」とは呼べません。

十二支とは

十二支は、紀元前の中国で暦や時間などを表すために使われ始めたといわれています。

わかりやすくするために、子(ね)・丑(うし)・寅(とら)・卯(う)・辰(たつ)・巳(み)・午(うま)・未(ひつじ)・申(さる)・酉(とり)・戌(いぬ)・亥(い)と動物が当てはめられるようになりました。


十干とは

一方、十干は十二支に比べるとなじみが薄いかもしれませんが、もともとは1から10までを数えるための言葉です。
「甲(こう)、乙(おつ)、丙(へい)、丁(てい)、戊(ぼ)、己(き)、庚(こう)、辛(しん)、壬(じん)、癸(き)」の10種類があります。


十二支と十干の組み合わせ=「干支」

この十二支と十干を合わせたものが、「干支」です。十二支と十干の組み合わせは、全部で(12と10の最小公倍数の)60通り。
つまり干支は60年で一巡りすることになります。
60歳が「暦が還る=還暦」と呼ばれるのは、そのためです。


2023年の干支は「癸卯(みずのと・う)」

2023年(令和5年)の干支は、「癸卯(みずのと・う)」にあたります。
この「癸卯」はどのような成り立ちなのでしょうか。

「癸(みずのと)」とは

前出したように、十干には「甲(こう)、乙(おつ)、丙(へい)、丁(てい)、戊(ぼ)、己(き)、庚(こう)、辛(しん)、壬(じん)、癸(き)」の10種類があります。

十干とは別に、古代中国では、万物は「陰」と「陽」の2要素に分けられるとする陰陽(いんよう)説と、そして同様に万物は「木」「火」「土」「金」「水」の5要素から成るという五行(ごぎょう)説の思想がありました。

日本では十干と陰陽五行説を組み合わせ、独自の読み方を形成しました。

ちなみに日本では陽=兄(え)、陰=弟(と)と見立てています。
「癸(みずのと)」もその1つで、「五行の水(=みず)、陰陽の陰(=と)」となるわけです。


十干-陰陽/五行-日本の読み方の関係

  • 甲 - 陽/木 =きのえ
  • 乙 - 陰/木 =きのと
  • 丙 - 陽/火 =ひのえ
  • 丁 - 陰/火 =ひのと
  • 戊 - 陽/土 =つちのえ
  • 己 - 陰/土 =つちのと
  • 庚 - 陽/金 =かのえ
  • 辛 - 陰/金 =かのと
  • 壬 - 陽/水 =みずのえ
  • 癸 - 陰/水 =みずのと


「卯年」の由来や意味

うさぎは、安定感があり縁起の良い動物とされています。

月と縁があり「ツキ」を呼ぶ、満月が金運につながる、多産で子孫繁栄につながる、ぴょんぴょん跳ねて飛躍や成長を遂げる、そんな多くのポジティブなイメージで語られるのがうさぎです。

古代中国では、こうした十二支の動物が、その年の人々の様子に反映されると信じられてきました。つまり、うさぎ年は、繁栄や、ラッキーな飛躍の年になると期待することができるのではないでしょうか。


2023年の十二支「卯(うさぎ)」にちなんだ言葉

年賀状には2023年の十二支「卯(うさぎ)」を盛り込みたいものです。
たとえば、うさぎにちなんだ成語などを取り入れると、ちょっと洒落た感じになるかもしれません。

兎の上り坂

うさぎは前足より後足が長く、特に坂道を駆け上がることが得意と言われています。
そのため、「兎の上り坂」とは、得意な分野で力を発揮できること、条件に恵まれてとんとん拍子に話が進むことなどを指します。


兎の上り坂のごとく

「兎の上り坂のごとくご活躍をお祈りします」「兎の上り坂のような1年になりますように頑張ります」など、使ってみると良いのではないでしょうか。


兎走烏飛(とそううひ)

中国古代の伝説では、月には兎が、太陽には烏が住んでいるとされてきました。
太陽と月が毎日目まぐるしく動くことから、兎走烏飛は「歳月が慌ただしく過ぎること」を指すようになったと言われています。
「兎走烏飛のように過ぎる1日1日を大切にしていきたいです」「兎走烏飛のごとく過ぎた昨年を振り返り決意を新たにしています」など、万感の思いを込められそうです。


2023年の「卯年」におすすめの年賀状

縁起が良く、見た目が可愛らしいうさぎは、ぜひ年賀状にも上手に取り入れたいもの。

うさぎのイラスト入り年賀状

うさぎのイラストは、ぬいぐるみのように可愛いものから、動きだしそうなほどリアルなもの、さらには鳥獣戯画をモチーフにしたようなユニークなものまで、多くのバリエーションがあります。

さらに、キュートなイメージを出したいならカラフルに、大人っぽくしたいときはモノトーンにと、色使いでもかなり雰囲気を変えて見せることができるでしょう。


うさぎをあしらいつつ、写真をメインとした年賀状

ご自身でセレクトした写真をメインとしたい場合には、周囲をうさぎが囲んだフレームや、ワンポイントのうさぎのキャラクターなどを使ってみてはいかがでしょうか。
写真、イラスト、キャラクターなど、うさぎを活用した様々なデザインを楽しんでみてください。

毎年送る年賀状だからこそ、干支の意味をしっかりと理解しておきたいものですよね。2023年の干支については上記を参考に、ぜひ年賀状などにも活用してみてください。



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