年賀状の書き方をチェックしよう! マナーと豆知識をご紹介
2024.07.09

年末年始の恒例行事である年賀状。日頃からお付き合いのある人はもちろん、なかなか会えない友人や恩師などにも気軽に挨拶できるため、多くの人が利用していいます。
しかし、相手に失礼がないようにするためには、基本的なマナーを知っておく必要があります。今回は、知っておくと安心な年賀状のマナーや豆知識についてご紹介します。
記事の監修者
中 川 越 〈なかがわ・えつ〉
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目次
年賀状の基本的な書き方とマナー
年賀状は「宛名面」と「裏面」それぞれに、基本的な書き方とマナーがあります。ここでは、宛名面と裏面の基本的な書き方をご紹介します。
宛名面の書き方
1. 住所
住所は都道府県から書くのが正しい書き方です。アパート名やマンション名なども省略せず、正確に記入しましょう。
また、番地は、縦書きのときは漢数字(一、二、三)、横書きのときはアラビア数字を(1、2、3)を使います。
2. 肩書きや役職名
肩書きや役職名を書く場合、氏名の上にやや小さい字で書きましょう。「肩書き・役職名+氏名+様」がセットです。
3. 敬称
敬称は原則として、個人宛は「様」、会社や団体宛は「御中」とします。恩師や医師、弁護士、会計士などは「先生」とする場合もあります。
ただし、こちらも個人的な付き合いがあるなら「様」でもよいとされています。
連名の場合は、それぞれの名前に「様」をつけます。
4. 朱書き
年賀状に年賀ハガキ以外のハガキを使う場合は、一般郵便と区別するため「朱書き」が必要です。切手の下に「年賀」と朱書きしましょう。
年賀と書かないと普通郵便扱いになり、年内に配達されてしまう可能性があります。
裏面の書き方
裏面には、賀詞、本文、年号、添え書きなどを記入します。添え書きは必ず記入しなくてはいけないという決まりはありませんが、近況やあいさつ文を添えると、心のこもった印象になります。それぞれ詳しく解説します。
1. 賀詞(がし)
賀詞とは新年を祝う言葉で、「謹賀新年」「迎春」などがそれにあたります。大きめの文字で書きましょう。また、賀詞は種類があり、相手との関係性によって以下のように変えることをおすすめします。
相手との関係 |
賀詞の種類 |
例文 |
目上の人向け |
4文字 |
謹賀新年、恭賀新年 |
目下の人向け |
1文字または2文字 |
寿、賀、福、春 迎春、初春、賀正、頌春、寿春 |
親しい人向け |
英文やカジュアルな表現 |
HAPPY NEW YEAR! あけましておめでとう! |
相手を選ばない |
文章 |
あけましておめでとうございます 謹んで新春のお慶びを申し上げます |
2. 本文
本文には、謝辞、祈り、お願いの順番で書くと覚えておくと便利です。
①謝辞
日頃の感謝の言葉を述べます。
「昨年中は大変お世話になりました」
「旧年中は格別のご指導を賜り厚く御礼申し上げます」
②祈り
祈りは相手の健康や活躍を祈る文章を書きます。
「皆様のご健康とご多幸をお祈りしております」
「貴社の益々のご発展と皆様のご健勝を心よりお祈り申し上げます」
③「お願い」
お願いは、今後のお付き合いや指導をお願いする文章を書きます。
「本年もどうぞよろしくお願い申し上げます」
「本年もご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます」
3. 年号
年号には、新年の年号と日付を書きしょう。
「令和〇年元旦」「202○年1月1日」など年号と西暦はどちらでも構わないとされています。
4. 添え書き
添え書きには、転職、出産などの近況報告、共通の話題、抱負などを記入しましょう。送り先に合わせて一言添えると、心のこもった印象を与えます。短くまとめるのが基本です。
「ぜひ新居に遊びにいらしてください」
「今年こそ同窓会で会えるのを楽しみにしています」
気を付けよう!年賀状でNGな表現とは
ここでは、ついやってしまいがちな年賀状のNG表現についてご紹介します。
お祝いにふさわしくない文字は使わない
「枯れる」「失う」「衰える」「倒れる」などの言葉は、お祝いにふさわしくないため、使わないようにしましょう。
つい書きがちな「去年」という言葉も、「去」という字がお祝いにふさわしくありません。そのため、「昨年」や「旧年」を用いましょう。
また、近年共通の話題として使われる「コロナ禍」も、「禍」が不吉な意味を持っているため避けましょう。
重複に気を付ける
年賀状のデザインには、「賀正」や「福」などの賀詞が貼っているものが多いです。そのため、その後に続けて「あけましておめでとうございます」と続けると、意味が重複してしまうので注意しましょう。
また、「元旦」は「1月1日の朝」を指します。「令和〇年1月元旦」という言葉は間違いになるため、「令和〇年元旦」などと書きましょう。
句読点は使わない
「本年も、何卒よろしくお願いいたします」など、区切りを表す句読点(、。)は使わないようにします。
お祝い事はいつまでも続いてほしいもので、そこに区切りをつけると、縁起がよくないと考えられているためです。
文章が長くなって読みにくいと感じる場合は、スペースや改行を使いましょう。
修正テープは使わない
誤字をしてしまった際には、原則として新しいハガキに書き直します。修正テープや修正液の使用は避けましょう。
グレーの文字や黒のふちに気を付ける
文字は黒色が基本です。グレーは、弔事を連想させるため、使用を避けましょう。
また、イラストや写真などを「黒いふち」で囲むのもタブーとされています。これは、お葬式の「遺影」を連想させるためです。
相手との関係性別の注意点やポイント
年賀状は相手との関係性によって、注意点やポイントが変わります。
ここでは、相手との関係性別の注意点やポイントをご紹介します。
会社の上司や取引先へ送る場合
ビジネス用の年賀状は、カジュアルすぎないものであれば、デザインに制限はないとされています。
ただし、プライベートで付き合いがある場合を除いて、家族や子供など写真入りの年賀状を選ばない方が無難でしょう。
取引先に送る場合は、差出人の欄に、自社の会社名、部署名を入れます。また上司に送る場合でも、大企業の場合は部署名を入れた方が分かりやすい場合があります。
宛名は、会社宛に出す場合は「会社名・部署名・役職」を入れましょう。
自宅宛に送る場合は、敬称のみでも問題ありません。
親族や友人・知人へ送る場合
デザインは相手の好みや年齢に合わせて選びましょう。また、写真入りの年賀状はより親近感を与えますし、近況を知らせることができるので、よい印象を与えるでしょう。
前年中に、結婚・出産・転居などがあった場合、報告を兼ねて写真入りの年賀状を送ることをおすすめします。
夫婦で親戚・友人宛に送る場合は、連名にすることも可能です。主となる人の名前の左側に、配偶者や子供の名前を記載します。
恩師や先生に送る場合
かつてお世話になった恩師やいつもお世話になっている先生に出す場合、宛名の敬称を「先生」とします。「先生」のみで「○○先生様」と書かないように注意しましょう。
賀詞は目上の人に向けた言葉を選びましょう。
・小学生が学校の先生に送る場合
「あけましておめでとうございます」
「新年おめでとうございます」 など
・中学生が学校の先生に送る場合
「あけましておめでとうございます」
「初春のお慶びを申し上げます」 など
まとめ
年賀状は、新しい年の訪れを祝って送るものです。基本的な書き方やマナーを抑えておき、間違った賀詞を使わないようにすることが大切です。
また、相手との関係性によって使う言葉や敬称などが変わってきますので、間違いがないか十分確認してから送るようにしましょう。