知っておきたい上司に年賀状を出す時のマナーや書き方とは
2024.11.12
プライベートで年賀状を送る方法は何となくわかっても、ビジネスで送る場合のマナーについてはよくわからないという人も多いのではないでしょうか。
お世話になった上司には、メールやSNSではなく、きちんと年賀状でごあいさつしたいですよね。
今回は、上司に年賀状を送る際のマナーや書き方などをご紹介します。
記事の監修者
中 川 越 〈なかがわ・えつ〉
プロフィール |
目次
宛名面の基本的な書き方
年賀状は「宛名面」と「裏面」があり、それぞれ基本的な書き方があります。まずは、宛名面の基本的な書き方とマナーについてご紹介します。
1. 住所
住所は都道府県から書きます。アパート名やマンション名、ビル名なども省略せず、正確に記入します。
また番地は、縦書きの時は漢数字、横書きの時はアラビア数字を用います。
2. 肩書きや役職名
肩書きや役職名は、氏名の上にやや小さい字で書きましょう。「肩書き・役職名+氏名+様」がセットです。
3. 敬称
敬称は原則として、個人宛は「様」、会社や団体宛は「御中」です。恩師や医師、弁護士、会計士などは「先生」とする場合もありますが、こちらも個人的な付き合いがあるなら「様」でもよいとされています。
連名は大丈夫?
ビジネスシーンでは、連名を使わないのが一般的です。取引先や担当者などに送る場合でも、担当者ごとに一枚ずつ送りましょう。
ただし、部署単位でお世話になっている場合は、部署全体に宛てることも可能です。その場合は、宛名を「〇〇部
御中」を書きます。同じ企業で、別々の部署に所属している複数人に出したい場合は、「○○(企業名)御中」と書きます。
裏面の書き方のポイント
裏面には、賀詞、本文、年号、添書きなどを記入しましょう。
添書きは必ず記入しなくてはいけないというわけではありませんが、近況やあいさつ文を添えると、温かみのある印象を与えます。それぞれ詳しく解説します。
賀詞(がし)は基本的に4文字にする
賀詞とは新年を祝う言葉で、「謹賀新年」「迎春」などがそれにあたります。大きめの文字で書きましょう。
また、賀詞は種類があり、相手との関係性によって変えるのが一般的です。上司など、目上の人に対する賀詞は「4文字」が基本です。たとえば、以下のような賀詞がおすすめです。
賀詞 |
読み方 |
意味 |
謹賀新年 |
きんがしんねん |
謹んで新年をお祝い申し上げます |
謹賀新春 |
きんがしんしゅん |
謹んで新しい春をお祝い申し上げます |
恭賀新年 |
きょうがしんねん |
うやうやしく新しい年をお祝い申し上げます |
敬頌新禧 |
けいしょうしんき |
うやうやしく新年の喜びをおたたえ申し上げます |
新春来福 |
しんしゅんらいふく |
新しい年に福がくることをお祈り申し上げます |
慶賀光春 |
けいがこうしゅん |
輝かしい新年のお慶びを申し上げます |
瑞祥新春 |
ずいしょうしんしゅん |
新年を喜び、吉兆をお届けいたします |
笑門来福 |
しょうもんらいふく |
笑顔でいられるよう、幸福をお祈りいたします |
「賀正」や「迎春」などの2文字の賀詞は、簡略化した表現です。目下の人向けとされているので、相手によっては不快な思いをさせてしまう可能性があります。そのため、4文字にしておくのが無難です。
目上の人におすすめの文例をご紹介!
裏面は印刷でも、添書きで一言添えようと考えている人も多いのではないでしょうか。
ここでは、上司や目上の人におすすめの文例をご紹介します。
上司に宛てる文例
新年おめでとうございます
旧年中は公私にわたり大変お世話になりました
本年もご期待に添えるよう精進いたす所存です
今後とも一層のご指導をお願いいたします
令和〇年 元旦
あけましておめでとうございます
日頃の親身なご指導に深く感謝申し上げます
本年もご期待に添えるよう精進いたす所存です
ご家族の皆様には ご健康で幸多い一年でありますよう祈念いたしております
令和〇年 元旦
あけましておめでとうございます
旧年中は何かと親身にご指導いただき ありがとうございました
本年も変わらぬご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます
令和〇年 元旦
謹賀新年
昨年は大変お世話になりました
昨年の経験を生かし 今年はご期待に応えるべくなお一層精進する所存でおります
本年も何卒よろしくお願い申し上げます
令和〇年 元旦
文章を添える時の注意点
年賀状では「本年も、何卒よろしくお願いいたします」など、区切りを表す句読点「、」「。」は使いません。
お祝い事は長く続いてほしいもので、区切りをつけてしまうと、縁起がよくないと考えられているためです。文章が長くなって読みにくいと感じる場合は、スペースや改行を適切に使いましょう。
そして、重複にも気を付けましょう。年賀状の賀詞の後に、「あけましておめでとうございます」と続けると、意味が重複してしまうので注意が必要です。
また、「元旦」は「1月1日の朝」を指すため、「令和〇年1月元旦」という言葉は間違いになります。「令和〇年元旦」などのように書きましょう。
まとめ
上司向けの年賀状は、親しい相手と少し書き方が異なります。特に肩書きや賀詞の基本的な書き方を知っておくのがおすすめです。
マナーを知って、相手に喜ばれる新年のあいさつを伝えましょう。