年賀状に句読点は使えない? その理由や書き方を解説します
2024.10.08
年賀状では句読点を使うのはマナー違反とされています。
しかし、日常的な文章では句読点を使うのが一般的なため、「なぜ使ってはいけないのだろうか」と疑問に思っている人も多いのではないでしょうか。
今回は、年賀状の句読点が使えない理由や使わない書き方、年賀状におけるマナーなどをご紹介します。
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記事の監修者
中 川 越 〈なかがわ・えつ〉
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目次
年賀状で句読点がマナー違反とされる理由
「、」や「。」などの句読点は、年賀状では使わないようにするのが一般的です。
その理由は諸説ありますが、主に2つあるとされています。
終わりや区切りを意味するため
「終わり」や「区切り」を意味する句読点は、縁起が悪いとされています。
つまり「相手との関係性が終わる、区切りをつける」という意味が含まれると考えられています。
そのため、年賀状を含めたお祝いごとの文章は、原則として句読点を避けるのが一般的です。たとえば、賞状、挨拶状、感謝状などが該当します。
毛筆文化では句読点を打つ習慣がなかった
もう一つの理由として挙げられるのが、毛筆文化では句読点を使わなかったためとされています。昔の日本人はすべての文書を毛筆で書いており、その時代には句読点を使う文化はありませんでした。
しかしその後、次第に活字の文書が増えていき、読みやすさが重視されるようになり、句読点が導入されました。
したがって、句読点をつけるのは、「相手の読みやすさを助ける」という意味合いが含まれるため、敬意を払うべき相手を〈助ける〉のはおこがしく失礼という解釈が成り立ち、句読点を避ける根拠の一つとなっています。
句読点がなくても読みやすい文章にする方法
しかし、長い文章では句読点がないと読みにくくなってしまいます。
そんなときは、適度に改行を入れることで、読みやすい文章に仕上げることができます。以下の点に気をつけましょう。
・句点(。)をつける場所は次の文章を続けず改行する
・読点(、)をつける場所はその文で改行する
長い文章を書く場合は、ハガキの縦幅2/3ぐらいを目安に、文節の切れ目で改行を入れていきましょう。
単語の途中で改行すると読みにくい文章になるため、文節の切れ目で改行するようにします。たとえば、以下のように改行します。
昨年中は色々とお世話になり
心よりお礼申し上げます
今年もどうぞよろしくお願いいたします
また、スペースを入れる方法もあります。
句読点の代わりに適度にスペースを入れることで、文章がひとかたまりにならずに、読みやすくなります。
スペースは、1文字分だと空きすぎる印象を与えるため、半文字分くらいのスペースを入れるのがおすすめです。
長すぎる文章にしない
年賀状に使う文章はもともと簡潔にするのが原則です。文章が長すぎると読みにくいため、簡潔にまとめるようにしましょう。たとえば、以下のようにまとめます。
スペースを入れる前
「○○もいよいよ小学校に入学することになったため今からランドセルを背負って楽しみにしています」
入れた後
「○○もいよいよ小学校に入学します 今からランドセルを背負って楽しみにしています」
読みやすいフォントを使用する
年賀状作成ソフトなどを使用して作成する場合は、読みやすい定番フォントを使うのがおすすめです。
最近では、さまざまなフォントから選ぶことができますが、個性的なフォントを選ぶと読みにくくなってしまうこともあります。
そのため、読みやすさを重視するのであれば、年賀状の定番フォントである楷書体や明朝体などの定番フォントがおすすめです。
年賀状作成時に知っておきたいマナー
年賀状には、句読点の他にも知っておきたいマナーがあります。ここでは、年賀状作成時のマナーについてご紹介します。
忌み言葉は使わない
「枯れる」「失う」「衰える」「倒れる」などの言葉は、お祝いにふさわしくありません。
書きがちな「去年」という言葉も、「去」という字がお祝いにふさわしくないため、「昨年」や「旧年」を用いましょう。
重複に気をつける
年賀状のデザインには、「賀正」や「福」などの賀詞が元から入っているものが多いです。
そのため、その後に続けて「あけましておめでとうございます」と続けると、意味が重複してしまうので注意が必要です。
また、「元旦」は、「1月1日の朝」を意味します。「令和〇年1月元旦」という言葉は間違いなので、「令和〇年元旦」などと書きましょう。
修正液や修正テープは使わない
誤字をしてしまった場合、原則として新しいハガキに書き直します。修正テープや修正液は使わないようにしましょう。
まとめ
年賀状には原則句読点を使用しません。
これは、句読点は「終わり」や「区切り」を意味する縁起の悪い言葉とされているためです。
そのため、年賀状は簡潔な文章で読みやすさを重視することが大切です。
また読みやすい大きさの文字やフォントを使用することも重要です。マナーを守り、見やすい心のこもった年賀状を作ってみてはいかがでしょうか。