喪中はがきの遠慮と失礼は何が違うの?
2024.09.18
記事の監修者
市 川 愛 〈いちかわ・あい〉
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目次
喪中はがきのタイトル「遠慮」と「失礼」の違いと意味
喪中に年賀状をもらっても良いの?
喪中だけれど年賀状は送ってほしい場合の挨拶文章
年賀状は送ってほしいことを伝える場合の注意点
まとめ
喪中はがきのタイトル「遠慮」と「失礼」の違いと意味
はじめて喪中はがきを出す場合に迷ってしまうのがはがきの文面です。
主に喪中はがきの挨拶文タイトルは2種類あります。
「喪中につき新年のご挨拶をご遠慮申し上げます」
「喪中につき新年のご挨拶を失礼させていただきます」
似ている表現ですが、この文面の違いは何なのでしょう。
「ご遠慮申し上げます」という言い回しだと、「年賀状は送らないでくださいね」という風にも捉えられてしまうかもしれませんが、「遠慮」の意味としては「人に対して行動や言葉を控えること」「辞退すること」です。
つまり「新年のご挨拶をご遠慮申し上げます」というのは、「新年のご挨拶を辞退します」ということ。自分から年賀状の辞退を申し出ている表現になります。
一方、「失礼」という言葉も、「遠慮」と同じように「辞退する」という意味がありますが「礼儀・作法にはずれた振る舞いをすることを詫びる」という少し謙ったニュアンスが入るため「新年のご挨拶を失礼させていただきます」というのは「年賀状をお送りできなくてすみません」という詫びの気持ちが入った表現になります。
どちらを使用しても間違いではないので、自分の気持ちに合った表現を使用すると良いでしょう。
最近では「失礼させていただきます」という挨拶文の喪中はがきが増えていますので、相手を気遣った詫びの気持ちがある方が好まれる傾向にあるのかもしれません。
喪中に年賀状をもらっても良いの?
今年は身内に不幸があり、毎年楽しみにしている年賀状が今年はもらえないかもしれない。
喪中だけど気を遣わず送ってほしい・・。
そんなときはどうしたら良いのでしょうか。
本来であれば喪中はがきを送ると相手は年賀状を控えるものですが、年賀状を受け取ってはいけないという決まりはありません。
自分が喪中の場合には年賀状ではなく喪中はがきを送るのがマナーですが、その文面の中に年賀状を送ってもらいたいと伝えても問題はありません。
喪中はがきは年賀状の準備を始める前の11月下旬から12月上旬までに、先方に届くように発送するのが望ましいため、先方が年賀状を準備する前にこちらから喪中であること、年賀状は送っても大丈夫だと伝えるのが良いでしょう。
喪中だけれど年賀状は送ってほしい場合の挨拶文章
喪中の印刷サービスを利用する場合には、故人の情報や挨拶文章がご自身で変更できるものがあります。
その場合には「年賀状は送ってほしい」旨が記載された挨拶文章を選ぶのが良いでしょう。
ご自身で作成される場合や、印刷サービスのフリー文章を選択した場合の文章例をご紹介いたします。
■「郵便局のプリントサービス」で喪中はがきを注文した場合には次のような挨拶文章をご用意しています
「(亡くなられた方の続柄)・(氏名)・(没年月日)・(年齢)
新年のご挨拶は失礼させていただきますが
皆様からの年賀状はいつものようにお待ちしております
これから寒さが厳しくなりますので
どうぞご自愛のほどお祈り申し上げます」
■オリジナル挨拶文章例
「(亡くなられた方の続柄)・(氏名)・(没年月日)・(年齢)
生前に賜りましたご厚情に心からお礼申し上げます
喪中ではありますが 皆様からの年賀状は例年通り楽しみにしております
明年も変わらぬご交誼のほどお願い申し上げます」
「(亡くなられた方の続柄)・(氏名)・(没年月日)・(年齢)
新年のご祝詞を申し上げるべきでございますが
喪中につき勝手ながら欠礼させていただきます
皆様からの年賀状はいつものようにお待ちしておりますので
どうぞ例年通りお送りくださいませ
みなさまに良い年が訪れますようお祈りいたします」
年賀状は送ってほしいことを伝える場合の注意点
喪中の時に年賀状を受け取ってはいけないという正式なルールはありませんが、喪中はがきに年賀状がほしいと記載する場合は、送る相手の心情にも気を配る必要があります。
例えば、故人と親しい間柄の方や故人の親戚などは遠縁であっても相手も深い悲しみの中にいる場合があるため、年賀状を送ってほしいとお願いすることは非常識だと思われる可能性があります。
年賀状は送ってほしいと記載する場合は送り分けをすることも一つの方法です。
まとめ
最近では喪中であっても年賀状を送ってほしいと思われる方が増えてきましたが、喪中はがきは送る側も送られる側も故人との関係性で挨拶文の内容や受け取り方が変わります。
喪中だけれど年賀状は送ってほしいと伝えても実際に送ってくださる方は少ないかもしれません。
または、寒中見舞いで喪中はがきのお返事を送ってくださる方もいらっしゃると思います。
それぞれの家庭や地域などによっても考え方は異なり、これが正しいと言い切れるものではありません。
喪中はがきの書き方や年賀状を出すかどうかは、出す人の気持ちが一番大切なのです。