暑中見舞いを送る時期は?残暑見舞いとの違いや基本的なマナーを解説

暑中見舞いを送る時期は?残暑見舞いとの違いや基本的なマナーを解説

暑さが厳しい時期に、暑さの苦痛をいやすために送るのが「暑中見舞い」です。
暑くてつらい時期でも、自分のことを気遣ってくれるハガキが来ると嬉しいものです。

しかし、送る時期がはっきりしている年賀状などと比べると「いつからいつまでに送るのか」と悩む方も多いのではないでしょうか。
今回は、暑中見舞いを送る時期や残暑見舞いとの違いなど、基本的なマナーについてご紹介します。


記事の監修者
中 川  越 〈なかがわ・えつ〉

中川越

プロフィール
1954(昭和29)年 東京品川生まれ。手紙文化研究 、コラムニスト 、イラストレイターとして幅広く活躍。
古今東西、有名無名を問わず、各種手紙に取材し、手紙の在り方、表現の工夫、コミュニケーションの本来について、日々探求を続けている。
中川  越 ホームページ


目次


暑中見舞いと残暑見舞いの時期

ここでは、暑中見舞いと残暑見舞いを送る時期についてご紹介します。

暑中見舞い

暑中見舞いは、「1年で最も暑さが厳しいといわれている時期」に送る挨拶状です。暦上では、二十四節気の小暑(7月7日頃)~立秋の前日(8月7日頃)です。
この時期は、秋のはじまりを示す「立秋」の前となります。

実際に猛暑と感じる時期とは異なる場合もありますが、昔ながらの暦を基準としています。
立秋の前日までに間に合わない場合は、残暑見舞いとなります。二十四節気は、その年によって日付が変わるので注意しましょう。

残暑見舞い

残暑見舞いは、「暦の上では秋でも暑さが続く時期」に出す挨拶状です。立秋(8月8日頃)~8月末頃までに送るのが一般的とされています。
暑さが残る時期に送る挨拶状なので、はっきりとした終わりの日付はありませんが、処暑の候(9月7日頃まで)には届くように出すのがおすすめです。

暑中見舞いと残暑見舞いの違い

暑中見舞いと残暑見舞いは、どちらも「暑い時期の挨拶状」ですが、微妙な違いがあります。

暑中見舞いは、「暑さの厳しい時期に見舞うもの」です。1年で最も暑さが厳しい時期に出すもののため、挨拶も「猛暑が続く」「暑さ厳しき折」など、夏本番を意識した内容にします。

残暑見舞いは、「なかなか終わらない暑さ」を見舞う挨拶状です。「立秋を過ぎ、暦の上では秋となってもまだまだ暑いですね」という気持ちを込めます。
最近では、9月に入っても暑い時期が多いので、「立秋とは名ばかりの暑さ」など気候に合わせた内容にするのがおすすめです。


暑中見舞い・残暑見舞いの基本的な書き方

暑中見舞い・残暑見舞いの基本的な構成は以下の通りです。

1. 挨拶

2. 時候の挨拶

3. 相手を気遣う言葉

4. 自分の近況報告

5. 暑さをねぎらう言葉

6. 日付

1. 挨拶

最初に「暑中お見舞い申し上げます」や「残暑見舞い申し上げます」などの、お見舞いの挨拶を入れます。
本文よりも大きめの字で書くと見栄えが良くなります。句点「。」はいりません。
また目上の方に当てる場合は、「残暑お伺い申し上げます」となります。


2. 時候の挨拶

時候の挨拶は、自分が感じているその時の季節感を書きます。自分の住んでいる土地よりも、相手が住んでいる土地の気候に合わせた表現がおすすめとされています。

残暑見舞いの場合、まだまだ気温が下がらなくても、「秋のはじまり」を意識した挨拶文がおすすめです。その後に、相手の健康を気遣う言葉を書き入れます。


3. 相手を気遣う言葉

時候の挨拶の後に、相手の健康を気遣う言葉を書き入れます。

4. 自分の近況報告

近況報告があれば相手の気遣う言葉の後に入れます。たとえば、自分や家族の近況、帰省予定などのエピソードを添えましょう。
また、旅行先から、家族や友人に向けて、旅の感想を添えて送るのも、お互いに良い思い出となるでしょう。


5. 暑さをねぎらう言葉

「どうぞご自愛くださいませ」のような、相手をねぎらう締めの文を入れます。

6. 日付

日付は、「令和〇年八月」としたり、八月の代わりに、「盛夏」「立秋」「葉月」など、暦の言葉を入れることで、情緒を感じさせるのが一般的です。
ただし、「八月三日」などと、実際の日付を入れてもかまいません。

暑中見舞い・残暑見舞いの基本的なマナー

暑中見舞いと残暑見舞いは、ハガキに縦書きに書くのが一般的です。両方出す必要はなく、どちらかを出せば問題ありません。
また、暑中見舞い・残暑見舞いをいただいた場合は、できるだけ返事を書きましょう。

「礼儀として交換するもの」と考え、返事を送るようにします。返事を送る時には、先方に届く時期に気を付けましょう。
いただいたのが「暑中見舞い」だったとしても、返事を出す時期が「残暑見舞い」の時期であれば、残暑見舞いとして送ります。送る時期を意識するようにしましょう。

喪中の時のマナー

暑中見舞い・残暑見舞いは、相手のことを気遣い、健康で過ごしてほしいという意味を込めた挨拶状です。そのため、自分が喪中であっても、相手が喪中の時でも送って良いとされています。

ただし、出す時期は四十九日以降にするなど、配慮は必要です。
また、文面やハガキの絵柄なども気を付けましょう。あまり明る過ぎない絵柄にし、お悔やみの言葉や励ましの言葉などを、重々しくなり過ぎない程度に添えるのがおすすめです。


残暑見舞いの時期も過ぎてしまったら

残暑見舞いは、明確な終わりの時期はないものの「処暑の候(9月7日頃まで)」までに出すのが一般的です。この時期を過ぎた場合は、通常の手紙として出しましょう。

残暑見舞いをもらった返信であれば、「先日はご丁寧な残暑見舞いをありがとうございました」など、お礼の言葉を入れると良いでしょう。返事が遅れた理由やお詫びの言葉なども入れるのがおすすめです。

お中元との違い

暑中見舞い・残暑見舞いはハガキの挨拶状、お中元は品物を送るのが一般的です。送るものだけでなく、時期も異なります。

お中元は、もともと中国から来た習慣で、旧暦7月15日を「中元」と呼ぶことが由来といわれています。
この日は、「罪を償う日」として神様に供物をささげていましたが、日本に伝来した後、日頃お世話になった方に感謝の気持ちを伝える習慣となりました。

地域によって違いはあるものの、全国的に7月中旬までに送られます。お中元→暑中見舞い→残暑見舞いの順番と覚えておきましょう。

まとめ

暑中見舞いも残暑見舞いも、暑さの厳しい時期に送る挨拶状です。
それぞれ送る時期が異なるので、どう違うのかを知ったうえで送るようにします。

暑中見舞いは、基本的なマナーさえ押さえておけば、それほどかしこまらずに自由に内容を書いて良い挨拶状です。
相手を思いやり、自分の健康を伝えるために、暑中見舞い・残暑見舞いを送ってみてはいかがでしょうか。



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