暑中見舞い・残暑見舞いの例文をビジネス・友人向け別にご紹介

暑中見舞い・残暑見舞いの例文をビジネス・友人向け別にご紹介

暑中見舞い・残暑見舞いは、暑さの厳しい季節に送る夏の挨拶状です。私的な交際相手はもちろんのこと、ビジネス上の取引先や顧客に出すこともあります。

暑中見舞い・残暑見舞いには、基本的な書き方があり、その書き方を知っていれば難しくはありません。
今回は、友人向けとビジネス向けの暑中見舞い・残暑見舞いの例文をご紹介します。


記事の監修者
中 川  越 〈なかがわ・えつ〉

中川越

プロフィール
1954(昭和29)年 東京品川生まれ。手紙文化研究 、コラムニスト 、イラストレイターとして幅広く活躍。
古今東西、有名無名を問わず、各種手紙に取材し、手紙の在り方、表現の工夫、コミュニケーションの本来について、日々探求を続けている。
中川  越 ホームページ


目次


暑中見舞い・残暑見舞いの構成と例文

ここでは、暑中見舞いの基本的な構成は以下の通りです。

1.お見舞いの挨拶
2.主文
3.結びの挨拶
4.日付

それぞれの例文をご紹介します。

1.お見舞いの挨拶

・暑中お見舞い申し上げます

・暑中お伺い申し上げます

・残暑お見舞い申し上げます

・残暑お伺い申し上げます

相手が目上の場合には、「見舞う」ではなく「お伺い申し上げます」とするのが旧来のマナーでした。これは、「見舞う」が優位に立った物言いととらえられると、失礼にあたるためです。

しかし、現在ではこうした解釈にこだわる人はほとんどいなくなりました。
そのため、特に厳密に旧来の礼儀にこだわりそうな相手でなければ、たとえ目上や上位に対してでも、「お見舞い申し上げます」で問題ないでしょう。


2.主文

時候の挨拶と相手の健康を気遣う言葉を入れます。

<暑中見舞い 例文>

・梅雨明けとともに本格的な夏がやってまいりましたが、いかがお過ごしでしょうか。

・暑さ本番の時期となり、いよいよ生ビールの季節がやってまいりました。いかがお過ごしでしょうか。

・夏休みに入り、子どもたちが元気に遊ぶ声が聞こえるようになりましたが、お元気でいらっしゃいますか。

・盛夏の折、暑さに負けずお元気にお過ごしのことと存じます。

・極暑の候、お変わりなくご活躍のこととお喜び申し上げます。


<残暑見舞い 例文>

・暦の上では秋を迎えましたが、まだまだ暑い日が続いております。お元気でいらっしゃいますでしょうか。

・朝夕は暑さが和らぎ過ごしやすくなってまいりました。お元気にお過ごしのことと存じます。

・炎暑が続き本当の秋が待ち遠しい日々ですが、お元気でいらっしゃいますか。

・晩夏の候、夏の疲れが出る頃です。ご体調はいかがでしょうか。


3.結びの挨拶

相手の健康を気遣い、無事を祈る思いやりのある一言で締めくくります。

<例文>

・酷暑に負けぬよう栄養をしっかりと補給し、この夏を乗り切ってください。

・夏風邪などお召しになりませぬようご自愛くださいませ。

・お身体を大切に、お健やかに過ごされますようご祈念申し上げます。

・夏のお疲れが出る頃ですので、くれぐれもご自愛ください。

・まだまだ炎暑厳しき折、ご無理なさらずお身体おいといください。


4.日付

年数の下に、「盛夏」「晩夏」などを入れるのが一般的です。

例:「令和○○年 盛夏」

盛夏 … 梅雨明け頃から立秋までの夏の一番暑い時期を表す季語です。
晩夏 … 夏の終わりを表す季語です。
立秋 … 暦の上では秋となる8月7日頃のことです。この日を過ぎると「残暑見舞い」となります。
葉月 … 陰暦の8月のことです。


暑中見舞い・残暑見舞いの時候の挨拶

暑中見舞い・残暑見舞いは、冒頭に季節感を表現する時候の挨拶を書きます。
ここでは、時候の挨拶に使える例文をご紹介します。


時期

時候の挨拶

7月上旬

梅雨明けの候/みぎり
向暑の候/みぎり

7月中旬

仲夏の候/みぎり
盛夏の候/みぎり

7月下旬

大暑の候/みぎり
炎暑の候/みぎり
極暑の候/みぎり
猛暑の候/みぎり
酷暑の候/みぎり

8月上旬

季夏の候/みぎり
残暑の候/みぎり
残夏の候/みぎり
残炎の候/みぎり

8月中旬

避暑の候/みぎり
新涼の候/みぎり
納涼の候/みぎり

8月下旬

暮夏の候/みぎり
秋暑の候/みぎり
晩夏の候/みぎり
向秋の候/みぎり
立秋の候/みぎり


「みぎり」とは「折」「頃」という意味があり、「候」は「みぎり」に言い換えられます。


ビジネス向けの例文

ビジネス向けの暑中見舞い・残暑見舞いも、基本の構成は同じです。
企業によっては、「夏季休業の期間」などを伝えるケースもあります。
以下に用途別の例文をご紹介します。

取引先や顧客宛の例文

<例文①>
平素は格別のお引き立てを賜りありがとう存じます。
今後とも一層ご愛顧のほどひとえにお願い申し上げます。
酷暑の折、くれぐれもご自愛のほどお祈り申し上げます。

<例文②>
貴社におかれましてはいよいよご盛栄のこととお喜び申し上げます。
日頃よりご支援ご厚情を賜りありがとうございます。
私どもも暑さに負けず新しいプロジェクトに向け日々精進しております。
ぜひまたご意見をお聞かせください。
今後とも変わらぬお引き立ての程、よろしくお願い申し上げます。
時節柄、なお一層のご自愛を心よりお祈り申し上げます。

<例文③>
暑中お見舞い申し上げます。
いつも格別のお引き立てにあずかり、誠にありがとうございます。
酷暑の折、皆様方のご自愛のほどお祈り申し上げます。
今後ともなお一層ご愛顧のほどよろしくお願い申し上げます。

<例文④>
暦の上ではもう秋とはいえまだまだ暑い日が続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか。
平素は格別のご厚志を賜り誠にありがとうございます。
今後とも一層ご愛顧のほどひとえにお願い申し上げます。
酷暑の折、くれぐれもご自愛のほどお祈り申し上げます。


夏季休暇のお知らせの例文

夏季休暇のお知らせは、文中に挿入する方法と別記する方法とがあります。

<文中に挿入する方法>
日頃よりご支援ご厚情を賜りありがとうございます。
炎暑の折、皆様方のご自愛のほどお祈り申し上げます。
さて、弊社では8月〇日(〇)から8月〇日(〇)まで夏季休暇とさせていただきます。
期間中は何かとご不便をおかけしますが、ご了承のほどよろしくお願い申し上げます。

<別記する方法>
平素はひとかたならぬご厚情にあずかり心から御礼申し上げます。
さて、弊社では左記(※横書きの場合は以下)の予定で夏季休暇を実施いたしますので、
ご了承のほどよろしくお願い申し上げます。

休業期間 8月〇日(〇)~〇日(〇)


まとめ

暑中見舞い・残暑見舞いは、暑さの厳しい時期に送る挨拶状として、私的にもビジネスにおいても使われてきました。

挨拶状を書くのは苦手という人が多いかもしれませんが、基本の構成さえ覚えておけば、そう難しいものではありません。
ぜひ、夏に暑中見舞い・残暑見舞いを出してみてください。





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