喪中の範囲は何親等まで?出す時期はいつまで?

喪中の範囲は何親等まで?出す時期はいつまで?
喪中は、身内や近親者が亡くなったときに故人を偲びながら祝い事などの行動を慎み、近しい人との別れの悲しみから立ち直るための期間とされています。一般的な喪中の範囲は、故人との親等によって違いがあります。また、喪中のあいだは、慶事を遠慮したり参拝を控えたりするなど、普段の生活とは違うマナーがあります。

さらに喪中には、年賀を欠礼することを伝えるために「喪中はがき」、正式には「年賀欠礼状」を送る慣習があります。喪中はがきは、年賀状をやり取りしている方々に年内に届けるべきもので、送るのに最適な時期があります。

そこで今回は、一般常識として知っておきたい喪中の基礎知識や喪中のマナーと、喪中はがきの出し方について詳しく解説します。

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目次

喪中の範囲はいつからいつまで?

喪中の範囲については、実は明確な決まりはありません。しかし慣習として、2親等までの親族において、一般的に認識されている期間があります。

喪中は長くて13ヵ月で親等により異なる

喪に服するのは、一般的に2親等までとされています。故人が配偶者か、1親等である父母・義父母・子供・子供の配偶者の場合、
喪中は12~13ヵ月です。また、故人が2親等である兄弟姉妹・兄弟姉妹の配偶者・祖父母・孫などの場合、喪中は3~6ヵ月が一般的です。
なお2親等までというのはあくまでも目安です。個人の気持ちの整理の問題ですので、3親等以降の関係でも喪に服することは、なんの問題もありません。
また逆に2親等以内であったとしても、同居していなかったり疎遠だったりする場合は、喪中をしないという人も増えています。
故人との続柄 親等 喪中期間
配偶者 配偶者との間に親等は存在しない 12~13ヶ月
父母 1親等 12~13ヶ月
義父母 1親等 12~13ヶ月
子供 1親等 12~13ヶ月
子供の配偶者 1親等 12~13ヶ月
兄弟姉妹 2親等 3~6ヵ月
兄弟姉妹の配偶者 2親等 3~6ヵ月
祖父母 2親等 3~6ヵ月
2親等 3~6ヵ月

そもそも喪中とは?気をつけることは?

喪中とは、近親者が亡くなったときに、故人の死に際して追悼の意を示し、自らの行動を慎むために一定期間喪に服することをいいます。
そのなかで「忌」と「服」の期間があり、「忌」は忌中、「服」は喪中を表します。

忌中と喪中の違い

忌中は故人が亡くなってから49日、喪中は長くて13ヵ月とされています。

忌中・喪中

忌中は外部との接触を避ける期間

忌中にあたる「忌」は、外部との接触を避けて身を慎み、故人のために祈りをささげる期間とされています。
仏教では「四十九日法要」、神道では「五十日祭」を執り行うことで忌明けします。

喪中は悲しみを乗り越えて元の生活に戻る期間

一方喪中にあたる「服」は、残された家族が悲しみを乗りこえ、通常の生活に戻っていくのに必要な期間とされています。
これが前述したように、1親等までは12~13ヵ月、2親等では3~6ヵ月とされている期間です。

もともとは、明治7年の太政官布告により「服忌令」が発令され、親等によって忌中と喪中の期間が細かく規定されていました。
現在は「忌引き」として各事業所や各教育委員会に定められている日数がありますが、「服忌令」などの法令は撤廃されており、
喪に服する期間において明確な決まりごとはありません。

喪中に気をつける3つのポイント

喪中の過ごし方には、普段の生活とは違うしきたりがあります。

1. 神社への参拝や神棚のお供えを慎む

喪中のあいだ、とくに忌明けするまでは神社への参拝は慎みましょう。神棚には白布や半紙をかけて、お供えや参拝も忌明けまで控えます。忌が明ければ、新年のお札を受けてもかまいません。

2. 慶事への参加や実施はしない

喪中は、結婚式や祝賀パーティーなど慶事への出席を控えるのが礼儀とされています。
とくに忌明けまでは開催者に対して不謹慎となるため、注意しましょう。結婚式などかなり前から計画していた慶事については、
亡くなった方との関係性にもよりますが、忌明け以降なら予定通り執り行うこともあります。

このように、当事者、参加者どちらにとっても、忌中の慶事は論外であり、忌明け後は本人の気持ち次第とされているのが一般的です。

3. 新年のお祝いを控える

新年はお祝い事にあたるため、喪中は新年を迎える準備もしません。門松やしめ縄などの正月飾り、鏡餅、おせち料理の用意なども控えます。 年賀の挨拶ももちろん慎みます。したがって、年賀状も送りません。その代わり、年賀状を送らないことを「喪中はがき」で伝えます。

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喪中はがきはいつまでに出すべき?

ここまで喪中についての一般常識をまとめましたが、続いては、喪中の遺族が忘れてはいけない「喪中はがき」の出し方について解説します。
喪中はがきは11月から12月上旬までに投函しましょう。喪中はがきは、年賀状のやり取りをしている相手が、年賀状の準備を始める前に送るのが礼儀です。
年賀状は毎年11月初旬から郵便局などで販売が始まるので、その頃が送り始めの目安となるでしょう。
また、郵便局での年賀状の受付は12月15日からなので、遅くても12月14日までに届けることが大切です。

12月後半に不幸があったら「寒中見舞い」でお詫びする

もし12月後半に不幸があり、年内に喪中ハガキを出せなかった場合は、「寒中見舞い」という形でお詫びをしましょう。
本来寒中見舞いは、「松の内」が明けてから「立春」までの間に行いますが、松の内は地方によって考え方が違うので、
1月15日~1月下旬までに投函するようにすれば、間違いがありません。

喪中はがきを出すときのマナー

喪中はがきの書き方には「これがルール」という決まった法則があるわけではありません。宗教や宗派や地域などによって違った風習はありますが、ここでは、喪中はがきの書き方として一般的な約束事について説明します。

気をつけたい表記ポイント

 1.前文は省略する
 2.祝いを表す「年賀」という言葉は使わない
 3.句読点をつけない
 4.行頭の字下げを行わない
 5.数字は漢数字で表記する

喪中はがきの構成

 1.主文(喪中につき年賀欠礼することを述べる)
 2.誰の喪中なのかを伝える(名前・続柄・亡くなった月・享年)
 3.生前に故人がお世話になったことへのお礼の言葉
 4.結びの挨拶
 5.日付・差出人住所氏名

近況報告は書かない

喪中はがきは年賀を欠礼する事のみを伝え、私信的な内容は書きません。結婚・出産・引っ越しなどの近況報告や住所変更のお知らせをしたい場合は、 喪中はがきとは別に挨拶状を出しましょう。

喪中はがきのデザインは控えめに

喪中はがきは華美なデザインを避けるのが一般的です。白黒でなくてもよいですが、文字は薄墨色に統一し、イラストも落ち着いた色合いを選びましょう。
文字のフォントも落ち着きのある明朝体や楷書体が望ましいでしょう。

喪中はがきを送る相手は葬儀の参列者と年賀状を交換している人

喪中はがきは、毎年年賀状をやり取りしている方に送りましょう。そして、葬儀に参列していただいた方にも送ることが礼儀とされているので、 それまで年賀状のやり取りがなかったとしても、忘れずに送りましょう。

一方喪中はプライベートなことなので、仕事関係で年賀状をやり取りしている方には、喪中はがきは出しません。

まとめ

喪中は法律できまっているような強制的なものではなく、あくまでも故人を偲び、悲しみから立ち直るための自主的な行動自粛期間です。
多様化する世の中の価値観は時代と共に変化していくので、「喪に服する」かどうかは最終的には個人の考え方が尊重されます。
実際、近年喪中はがきは、故人を偲ぶ写真付きのものや個性的なデザインのものも見受けられるようになりました。

喪中も自己表現できる時代ではありますが、他人に不快な思いをさせないように、基本的な知識や礼儀は忘れず、喪中にふさわしいふるまいを 行うことが大人のマナーとして大切になるでしょう。
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