コラム

喪中の豆知識

2026.09.18
喪中の豆知識

この記事のポイント

  • 喪中とは、近親者が亡くなった際に一定期間喪に服し、祝い事などを控えて過ごす慣習のことで、喪中の期間に法律上の決まりはありませんが、昔からの目安として配偶者や父母は13か月、祖父母や兄弟姉妹は3~6か月程度とされるなど、故人との続柄によって考え方はさまざまです。
  • 喪中の範囲は二親等程度が目安とされますが、同居の有無や関係性によって判断されることもあります。
  • 喪中はがきは年賀欠礼を伝えるための挨拶状で、書き方ではお祝いの言葉を避けるなどのマナーに注意が必要です。
  • 喪中はがきや寒中見舞いは送る時期にも決まりがあり、状況に応じた使い分けについて本文で詳しく解説しています。

喪中とは

「忌中」と「喪中」はよく混同されますが、「忌中」はより穢れが強く、故人が亡くなった日から数えて四十九日までと考えるのが一般的です。
「喪中」の期間は故人との続柄によって違うと言われていますが、一般的には亡くなってからちょうど一年の一周忌を迎えるまでの期間を指します。 家族や近親者が亡くなった際には、故人を偲び、一定期間は祝い事を控えて過ごす「忌中」や「喪中」という習慣があります。

「忌中」と「喪中」は混同されることがありますが、本来は意味が異なります。忌中は、故人を亡くした直後に故人を偲び、身を慎んで過ごす期間を指します。一般的には、仏教では四十九日法要までを忌中と考えることが多く、この間は慶事への出席などを控える方も少なくありません。 一方、喪中は、故人を偲びながら日常生活を送り、祝い事を控えて過ごす期間を指します。

喪中の範囲について

現代では一般的な喪中の範囲としては父母や兄弟姉妹、孫や祖父母といった二親等までを指すことが多くなっています。
ただ祖父母でも別居している場合は喪中にしない方もいますし、三親等でも同居している方が亡くなった場合は喪中と考える人もいます。
三親等以上では本人の考え方やビジネス上の間柄によって故人と面識もなく気遣いをしたくない相手など、関係性による部分では喪中と年賀状を使い分けることも増えています。親等の詳細については下の一覧表をご覧ください。

親等表

本人から見た関係

続柄の表記例

0親等

夫

夫、主人

妻

妻、家内、家内

1親等

父(配偶者の父を含む)

父、○○の父など

母(配偶者の母を含む)

母、○○の母など

子供

長男、次男、長女、次女、息子、娘など

2親等

兄弟、姉妹
(配偶者の兄弟・姉妹を含む)

兄、姉、弟、妹、長兄、次兄、次男、末弟、長姉、次姉、次妹、末妹、○○の兄、○○の姉など

孫

孫、孫息子、孫娘

祖父母
(配偶者の祖父母を含む)

祖父、祖母、○○の祖父、○○の祖母など

3親等

父母の兄弟、姉妹

伯父、叔父、伯母、叔母
※ 父母から見て、兄/姉の場合は伯父/伯母、弟/妹の場合は叔父/叔母

父母の兄弟・姉妹の配偶者

伯父、叔父、伯母、叔母
※ 父母の兄・姉の配偶者が、父母よりも年下であっても伯父/伯母、弟・妹の配偶者が父母より年上であっても叔父/叔母

兄弟、姉妹の配偶者

兄、姉、弟、妹

兄弟、姉妹の子供

甥、姪

祖父母の父母

曾祖父、曾祖母


喪中に控えるべきこととは

喪中は、故人を偲び、祝い事を控えながら静かに過ごす期間とされています。そのため、新年を祝う「あけましておめでとうございます」という挨拶や、門松・しめ飾りなどのお正月飾りを飾ることは控えるのが一般的です。
一方で、結婚式への出席や旅行などについては、喪中であることを理由に必ず控えなければならないという決まりはありません。特に結婚式は、お祝いの気持ちを大切にする行事でもあるため、忌中(一般的には四十九日まで)を過ぎていれば、ごく親しい方の結婚式に参列するという考え方も広く受け入れられています。


また、神社への参拝も、忌中を過ぎていれば喪中であっても問題ないとされています。ただし、お正月の初詣は新年を祝う行事としての意味合いが強いため、お祝いムードが落ち着いてから参拝する方も少なくありません。なお、お寺へのお参りは、喪中・忌中を問わず差し支えないとされています。

喪中はがきの歴史と意味

年賀状の習慣が庶民に定着したのが明治40年頃。爆発的に広まったのは昭和24年の「お年玉年賀はがき」の発売からです。 それに伴い年賀欠礼するためのお詫びとして喪中はがきも昭和40年代にはいって徐々に広まっていきました。
喪中はがきの意味は、「喪中に付き年賀を欠礼することを詫びる」というものです。 「年賀状が不要であることを伝える」ということではありませんので 注意するようにしましょう。 年賀状については頂いたら返すということがほぼ常識として捉えられていますが、喪中はがきは歴史も浅いため寒中見舞い等で返信する人は10%程度と言われています。 喪中はがきでも頂いたら返信をすることが望ましいといえるでしょう。

キリスト教やイスラム教など、他宗教の喪中はがきはどんなもの?

キリスト教やイスラム教には、日本のような「喪中」という考え方はありません。そのため、宗教上の理由から年賀状や年賀欠礼を行うという習慣もありません。
一方で、年賀状は宗教行事ではなく、日本のお正月の慣習です。そのため、日本で生活するキリスト教徒の方の中には、年賀状をやり取りする習慣があり、近親者が亡くなった年には、日本の慣習に合わせて喪中はがきを送る方もいます。

また、イスラム教徒の方との年賀状のやり取りは、日本ではそれほど一般的ではありません。ただし、日本で暮らしている方同士であれば、日本の慣習として年賀状や喪中はがきを送ることに特に問題はないでしょう。
喪中はがきは宗教上の決まりではなく、日本の生活文化や慣習として受け継がれているものと考えると理解しやすいでしょう。

喪中はがきに使用する言葉も各宗教に関連するものが意外に多いので、他の宗教の文言を使用しないよう注意しましょう。

仏教

往生、成仏、冥福を祈る、ご愁傷さま、供養、冥土、お悔み…など

キリスト教

昇天、天に召される、神のみもとに帰る…など

神式

帰幽、御霊となる、守護神となる…など


寒中見舞いのすすめ

喪中の報せを受け取って、何も返信しないのはなんとなく心にわだかまりが残るものです。 喪中はがきを受け取ったら、あまり時間を空けずにお見舞いのはがきを差し上げませんか? 喪中をきっかけに年賀状のやりとりが途絶えてしまうこともままあるようですので、 お見舞いはがきをさし上げることで習慣をつないでいきたいものです。
郵便局では、喪中はがきを受け取った方のために「お悔やみの心を伝えたい」という気遣いの心を形とする喪中見舞い用のはがきやお線香の取り扱いを始めています。

喪中はがきの書き方

特に決まった形式はありませんが、「おめでとう」「お慶び」などお祝いの言葉は使わないようにしましょう。
「年賀」という言葉も適切ではないので「年始」「年頭」「新年」などの言葉を用いましょう。

喪中はがき・寒中見舞いを送る時期はいつ?

多くの方が年賀状の準備に入る時期である11月中旬から12月上旬までには、先方の手元に届くように、早めに投函することを心がけましょう。 相手が年賀状を投函した後に、喪中はがきが届くということは避けましょう。年末に亡くなった方が出た場合や、万が一出し忘れてしまった場合は松の内が明ける1月8日(関西などの一部地域は1月16日)以降に寒中見舞いの形で 喪中欠礼をお詫びするようにします。

寒中見舞いは松の内明けから2月4日の立春までに先方に届くように投函し、年賀欠礼の返信にも寒中見舞いを送ります。寒中見舞いは厳冬期に相手の健康に気を配る季節の挨拶状なので、 祝い事の意味がなく、送っても失礼になることはありません。

もし、12月中旬以降にご不幸があった場合は、寒中見舞いを出すようにしましょう。
ここ数年、若い人たちの間では、喪中はがきを出さず先方からの年賀状を受け取った後、寒中見舞いで年賀のお礼を兼ねたご挨拶をする習慣が広がりつつあります。 コミュニケーションを絶やさないための知恵として、普及させたいものです。

記事の監修者

吉川 美津子〈きっかわ・みつこ〉

葬儀・お墓・終活分野の専門家。30年以上にわたり葬儀・供養業界に携わり、葬儀・供養・終活に関する相談、執筆、講演など幅広く活動。介護・福祉の資格と現場経験を生かし、在宅や介護施設での看取りから葬儀・供養まで、一人ひとりに寄り添った支援を行っている。
書籍・雑誌の記事監修やメディア出演も多数。