年賀状にボールペンはマナー違反?年賀状におすすめの筆記用具と注意点

年賀状にボールペンはマナー違反?年賀状におすすめの筆記用具と注意点

近年ではパソコンやネットを使って綺麗にデザインされた「年賀状」を作る人が多いかと思いますが、手書きで書く人もまだまだ多いようです。印刷された「年賀状」に一言書く添え書きや、表面の宛名などは手書きで書くという人もいらっしゃるのではないでしょうか。その際「ボールペンで年賀状を書くことはマナー違反」になるのかなど疑問が出てくると思います。

今回のコラムでは「年賀状におすすめの筆記用具の選び方」「手書きで書く際の注意点」など「年賀状」を手書きで書く際におさえておきたい様々な知識についてご紹介します。


記事の監修者
中 川  越 〈なかがわ・えつ〉

中川越

プロフィール
1954(昭和29)年 東京品川生まれ。手紙文化研究 、コラムニスト 、イラストレイターとして幅広く活躍。
古今東西、有名無名を問わず、各種手紙に取材し、手紙の在り方、表現の工夫、コミュニケーションの本来について、日々探求を続けている。
中川  越 ホームページ


目次

年賀状はボールペンで書いても大丈夫?


一般的にボールペンで「年賀状」を書くことはマナー違反とされる場合があります。「必ず毛筆で書かなければ失礼にあたる」といった厳しいマナーではなくなっていますが、会社の上司や取引先、目上の人に対する「年賀状」などではボールペンを使わないほうが望ましいといえるでしょう。

毛筆などの太くて力強い字のほうが受け取った側の印象が良いといわれていますが、一枚一枚に毛筆で書くことは時間がかかってしまうので、筆ペンを利用するのがおすすめです。

ただし、最近では家族や友人などの親しい間柄であれば、ボールペンやサインペンを使っても大丈夫であると考えられるようになっています。
添え書きのコメントをボールペンで書く人も多くいます。すべて印刷で済ませた「年賀状」よりは、ボールペンであっても手書きのメッセージが入っているほうが喜ばれるでしょう。
ボールペンを使う際は極細のものを避け、ペン先が1.0㎜以上の太字ボールペンを使用しましょう。相手が読みやすくストレスを感じることが少なくなります。

「年賀状」の作成にボールペンがふさわしくないと考える人がいる理由としては、字が細くなり見た目も貧相になりやすいということが挙げられます。また、ボールペンは日常的に多く使われる筆記用具だけに手軽で事務的な印象になりがちなため、新年のお祝い事には好ましくないと考える人もいるのです。


年賀状におすすめの筆記用具



「年賀状」の執筆に昔から使用されてきた筆記用具は「毛筆」です。太く力強い字で縁起のいい「年賀状」に仕上げることができ、受けとる側に一番好まれるのは毛筆で執筆された「年賀状」であるといわれています。 「筆ペン」は毛筆が苦手で上手に書く自信がない人におすすめです。比較的短時間の練習できれいな字を書けるようになるのが特徴です。墨など道具の準備や手間がかからないというメリットがあります。

「万年筆」は独特の味わい深さがあるので雰囲気のある「年賀状」に仕上げやすい筆記用具です。
ただし、ほとんどが水溶性インクなので年賀はがきの種類によっては、インクをはじいて文字がにじんでしまうおそれがあるため要注意です。

「フェルトペン」は柔らかい書き味で書きやすいことが特徴です。筆のタッチを再現できるタイプも発売されています。ただ、文字が太くなりやすいので画数の多い文字が書きにくいのがデメリットです。フェルトペンには水性と油性の2種類があり、それぞれ性質が異なるため試し書きをすることをおすすめします。

「サインペン」は芯先がしっかりしており、たくさん書いても太くなりにくいため、「年賀状」で書く際に昔から多くの人に利用されています。

どのような種類のペンを選ぶとしても、水性ペンの場合は文字がにじまないか、油性ペンの場合は裏写りしないか、事前にチェックすることが大切です。

■インクの色について
基本的に「「ブルーブラック」か「黒」か「青」 ならマナー違反になりません。特に目上の方に手書きの一言を書く際は色付きのペンを避け、黒い字で書くようにしましょう。 宛名を赤で書くことはできません。宛名と同様、赤い色でメッセージを書くことも避けます。 赤いインクが使用可能な例外は「親展」「履歴書在中」など、中身の重要性を伝える表記である 「朱書き」と「賀詞」です。「謹賀新年」や「寿」といった「賀詞」には、古来より赤い色が邪気や魔を払う効果を持つ考えられることから、赤い色を用います。 また、文字が消えるペンや水性のボールペン、鉛筆は避けましょう。


手書きで失敗した年賀状は消すとマナー違反になる?

手書きである限り間違えてしまうこともあるかと思います。ただし、間違えた場合は修正液や修正テープで消したり、二重線で消したりすることは好ましくないとされています。これは「喪中はがき」や「お祝い・お悔み」などの手紙も同様なのでマナーとして覚えておくといいでしょう。

書き損じてしまったら、新しい「年賀状」に書き直すのが正しいマナーです。郵便局に持って行くと1枚5円で新しい「年賀状」に交換してくれます。ただし、その年の年賀はがき販売期間(11月1日~1月初旬ごろ)のみ交換できるので事前に確認しておきましょう。もちろん年賀はがき以外にも切手や郵便はがき、特定封筒などにも交換が可能です。こちらは時期を問わずいつでも交換することができます。
マナーが心配な方は郵便局のプリントサービスでのご注文がおすすめ!


年賀状を手書きするときのポイント

手書きで相手の宛名を書くときには、縦書きのほうがフォーマルであるとされています。目上の方やビジネス関連でお付き合いのある方に対しては、できれば縦書きで書くようにしましょう。文字のサイズは、相手の名前を一番大きく書きましょう。

また、相手の住所は名前よりも少し小さく書くようにします。ビル名や階数は省略せず、数字は漢数字で書くのが基本的なマナーです。「一二」は「十二」と、「二三」は「二十三」など書き、読み間違いがないようにすることも大切です。 相手の名前が旧字体(正字)の場合は崩し字や続け字を使わず、間違いがないように正しく書くことが大切です。
書体は読みやすい楷書体を用いて、とめやはらいをしっかり意識するようにしましょう。
漢字は大きく、ひらがなは小さめに書くことでバランスの取れた文字になります。

縦書きの宛名では相手の名前をはがきの中央に置き、住所は郵便番号の右端に揃え、上から一文字分を下げて書き始めるようにします。 自分の宛名を表面に書くときは相手の名前より小さく書きます。裏面に自分の宛名を書く際には表面に書く必要はありません。

表面(宛名面)が縦書きの「年賀状」は、裏面も縦書きで揃えるのが一般的です。
裏面に関しては、楷書体のほうが良いという決まりは特にはありませんが、ペンの種類や読みやすさには気を付けて書きましょう。

「年賀状」をたくさん出す人にとって、すべての宛て名書きを手書きで書くのは難しい場合も多いでしょう。「郵便局のプリントサービス」では、宛名を印刷するサービスを行っています。 宛名を印刷し、裏面に手書きのメッセージや添え書きを書くといった工夫も可能です。 宛名を印刷すること自体はマナー上全く問題ありません。


まとめ

1字ずつ丁寧に書かれた手書きの「年賀状」は、受け取る側が好印象を抱きやすいです。
今まで印刷のみで「年賀状」を済ませていた方も、まずは添え書きから温もりのある手書きのメッセージを書いてみてはいかがでしょうか?


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