コラム
喪中はがきの範囲と時期:適切なマナーと送り方を徹底解説
2026.10.07
喪中は、身内や近親者が亡くなってから一定の期間、祝い事や遊興、旅行などの派手な行動を慎み、故人を偲びながら過ごすこととされています。一般的な喪中の範囲は、故人との親等によって違いがあります。また、喪中のあいだは、慶事を遠慮したり参拝を控えたりするなど、普段の生活とは違うマナーがあります。
さらに喪中には、年賀を欠礼することを伝えるために「喪中はがき」、正式には「年賀欠礼状」を送る慣習があります。喪中はがきは、年賀状をやり取りしている方々に年内に届けるべきもので、送るのに最適な時期があります。
そこで今回は、一般常識として知っておきたい喪中の基礎知識や喪中のマナーと、喪中はがきの出し方について詳しく解説します。
この記事のポイント
- 喪中とは、近親者が亡くなった際に、故人を偲び、一定期間祝い事を控えて過ごすことです。忌中と喪中では、期間や過ごし方の考え方が異なります。また、年賀を欠礼することを伝えるために「喪中はがき(年賀欠礼状)」を送る慣習があります。
- 喪中の範囲は一般的に2親等程度までが目安です。期間は続柄によって異なり、配偶者・1親等は12~13カ月、2親等は3~6カ月が一般的です。
- 喪中はがきは、年賀状のやり取りをしている相手が年賀状の準備を始める前、11月から12月上旬までに送るのが礼儀です。
- この記事では、喪中の基礎知識や遺族としてのマナー、喪中はがきの出し方について分かりやすく解説しています。
喪中の範囲はどこまで?
喪中の範囲については、実は明確な決まりはありません。しかし慣習として、2親等程度までの親族において、一般的に認識されている期間があります。喪中は長くて13ヵ月で親等により異なる
喪に服するのは、一般的に2親等までとされています。故人が配偶者か、1親等である父母・義父母・子供・子供の配偶者の場合、喪中は12~13ヵ月です。また、故人が2親等である兄弟姉妹・兄弟姉妹の配偶者・祖父母・孫などの場合、喪中は3~6ヵ月が一般的です。
なお2親等までというのはあくまでも目安です。故人との関係性や同居の有無、地域や家庭の慣習などを踏まえて判断します。
また逆に2親等以内であったとしても、同居していなかったり疎遠だったりする場合は、喪に服さないという方もいます。
| 故人との続柄 | 親等 | 喪中期間 |
|---|---|---|
| 配偶者 | 配偶者との間に親等は存在しない | 12~13ヶ月 |
| 父母 | 1親等 | 12~13ヶ月 |
| 義父母 | 1親等 | 12~13ヶ月 |
| 子供 | 1親等 | 12~13ヶ月 |
| 子供の配偶者 | 1親等 | 12~13ヶ月 |
| 兄弟姉妹 | 2親等 | 3~6ヵ月 |
| 兄弟姉妹の配偶者 | 2親等 | 3~6ヵ月 |
| 祖父母 | 2親等 | 3~6ヵ月 |
| 孫 | 2親等 | 3~6ヵ月 |
そもそも喪中とは?気をつけることは?
喪中とは、近親者が亡くなったときに、故人の死に際して追悼の意を示し、自らの行動を慎むために一定期間喪に服することをいいます。そのなかで「忌」と「服」の期間があり、「忌」は忌中、「服」は喪中を表します。
忌中と喪中の違い
忌中は故人が亡くなってから49日、喪中は13ヵ月程度とされています。忌中は外部との接触を避ける期間
忌中にあたる「忌」は、外部との接触を避けて身を慎む期間とされています。仏教では「四十九日法要」、神道では「五十日祭」を執り行うことで忌明けします。
喪中は悲しみを乗り越えて元の生活に戻る期間
一方喪中にあたる「喪」は、故人の死を悼み、追悼の意を表しながら、一定期間、祝い事を控えて慎み深く過ごすことをいいます。喪中は、故人を偲び、その死を社会的・精神的に受け止めるための期間として受け継がれてきました。これが前述したように、1親等までは12~13ヵ月、2親等では3~6ヵ月とされている期間です。
かつては、故人との続柄に応じて忌中や喪中の期間を定める考え方がありました。明治時代には、「服忌令(ぶっきりょう)」が制定され、皇室や官吏などの服忌期間が定められ、この考え方が社会にも広く浸透しました。
現在では服忌令は廃止されており、喪に服する期間を定める法律はありません。そのため、喪中の期間は故人との続柄や地域・家庭の慣習などによって考え方が異なります。
なお、会社や学校で定められている「忌引き」は、喪中とは異なり、就業規則や校則などに基づく休暇制度です。
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喪中はがきはいつまでに出すべき?
ここまで喪中についての一般常識をまとめましたが、続いては、喪中の遺族が忘れてはいけない「喪中はがき」の出し方について解説します。喪中はがきは11月から12月上旬までに投函しましょう。喪中はがきは、年賀状のやり取りをしている相手が、年賀状の準備を始める前に送るのが礼儀です。
年賀状は毎年11月初旬から郵便局などで販売が始まるので、その頃が送り始めの目安となるでしょう。
また、今年の郵便局の年賀状の受付は2026年12月20日からなので、遅くても12月19日までに届けることが大切です。
12月後半に不幸があったら「寒中見舞い」を出す
もし12月後半に不幸があり、年内に喪中ハガキを出せなかった場合は、「寒中見舞い」という形で年明けに喪中であることを知らせ、年始の欠礼をお詫びしましょう。寒中見舞いは、本来、寒さが厳しい時期に相手の健康を気遣う季節の挨拶状です。近年では、喪中はがきを出せなかった場合や、喪中の方へお悔やみやお見舞いの気持ちを伝える際にも利用されています。
送る時期は、松の内が明けてから立春(2月4日頃)までが一般的です。松の内の期間は地域によって異なりますが、一般的には1月7日または関西などの一部地域は1月15日以降を目安に送るとよいでしょう。
喪中はがきを出すときのマナー
喪中はがきの書き方には「これがルール」という決まりはありませんが、いくつかの約束事があります。宗教や宗派や地域などによって違いはありますが、ここでは一般的なマナーとしての喪中はがきの書き方について説明します。気をつけたい表記ポイント
1.前文は省略する2.祝いを表す「年賀」という言葉は使わない
3.句読点をつけない
4.行頭の字下げを行わない
5.数字は漢数字で表記する
喪中はがきの構成
1.主文(喪中につき年賀欠礼することを述べる)2.誰の喪中なのかを伝える(名前・続柄・亡くなった月・享年)
3.生前に故人がお世話になったことへのお礼の言葉
4.結びの挨拶
5.日付・差出人住所氏名
近況報告は書かない
喪中はがきは年賀を欠礼する事のみを伝え、私信的な内容は書きません。結婚・出産・引っ越しなどの近況報告や住所変更のお知らせをしたい場合は、 喪中はがきとは別に挨拶状を出しましょう。喪中はがきのデザインは控えめに
喪中はがきは華美なデザインを避けるのが一般的です。白黒でなくてもよいですが、文字は薄墨色に統一し、イラストも落ち着いた色合いを選びましょう。文字のフォントも落ち着きのある明朝体や楷書体が望ましいでしょう。
喪中はがきを送る相手は葬儀の参列者と年賀状を交換している人
喪中はがきは、毎年年賀状をやり取りしている方に送りましょう。そして、葬儀に参列していただいた方にも送ることが礼儀とされているので、 それまで年賀状のやり取りがなかったとしても、忘れずに送りましょう。一方喪中はプライベートなことなので、仕事関係で年賀状をやり取りしている方には、喪中はがきは出しません。
喪中に気をつける3つのポイント
喪中の過ごし方には、普段の生活とは違うしきたりがあります。1.神社への参拝や神棚のお供えを慎む
喪中のあいだ、とくに忌明けするまでは神社への参拝は慎みましょう。神棚には白布や半紙をかけて、お供えや参拝も忌明けまで控えます。忌が明ければ、新年のお札を受けてもかまいません。2.慶事への参加や実施は控える
喪中は、結婚式や祝賀パーティーなど慶事への出席を控えるのが礼儀とされています。特に忌明けまでは、開催者に対して礼を失することとなるため注意しましょう。
結婚式などかなり前から計画していた慶事については、亡くなった方との関係性にもよりますが、忌明け以降なら予定通り執り行うこともあります。
同様に、遊興の実施や旅行なども忌明けまでは控えたほうが良いでしょう。
主催者側、参加者側どちらの場合も、忌中は喪に服すことを優先し、忌明け後は本人の気持ち次第とされているのが一般的です。
このように、当事者、参加者どちらにとっても、忌中の慶事は論外であり、忌明け後は本人の気持ち次第とされているのが一般的です。
3.新年のお祝いを控える
お正月行事はお祝い事にあたるため、喪中は新年を迎える準備もしません。門松やしめ縄などの正月飾り、鏡餅、おせち料理の用意なども控えます。年賀の挨拶も慎みますので、年賀状も送りません。その代わり、年賀状を送らないこと、年賀の挨拶を欠礼することを「喪中はがき」で伝えます。まとめ
喪中は法律できまっているような強制的なものではなく、あくまでも故人を偲び、悲しみから立ち直るための自主的な行動自粛期間です。多様化する世の中の価値観は時代と共に変化していくので、「喪に服する」かどうかは最終的には個人の考え方が尊重されます。
実際、近年喪中はがきは、故人を偲ぶ写真付きのものや個性的なデザインのものも見受けられるようになりました。
喪中も自己表現できる時代ではありますが、先方に不快な思いをさせないように、基本的な知識や礼儀をふまえ、喪中にふさわしいふるまいを行うことが大人のマナーとして大切です。
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記事の監修者

吉川 美津子〈きっかわ・みつこ〉
葬儀・お墓・終活分野の専門家。30年以上にわたり葬儀・供養業界に携わり、葬儀・供養・終活に関する相談、執筆、講演など幅広く活動。介護・福祉の資格と現場経験を生かし、在宅や介護施設での看取りから葬儀・供養まで、一人ひとりに寄り添った支援を行っている。
書籍・雑誌の記事監修やメディア出演も多数。
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