年賀状に使うフォントの選び方|定番から無料のおすすめまで徹底解説

新しい年を迎えるに当たり、お世話になった方々へ年賀状を送る方も多いでしょう。そんな皆さんの中には、デザインや写真にはこだわっているものの「文字のフォント」については、意外と見落としがちな方もいるのではないでしょうか。しかし、年賀状全体の印象は、フォント一つで大きく変わります。一方「種類が多すぎてどれを選べばいいか分からない」「相手に失礼にならないか心配」など、フォント選びに悩むことは珍しくありません。
そこで本記事では、年賀状におけるフォントの基本的な知識から、送る相手に合わせた失礼のない選び方、さらには無料で使えるおすすめの定番フォントまで、詳しく解説します。感謝の気持ちがより伝わる素敵な年賀状となるよう、ぜひ最後までご覧ください。
1. まずは知っておきたい!年賀状フォントの基本
年賀状作りを始める前に、まずはフォントが持つ効果と基本的な知識について知っておきましょう。これらを押さえるだけで、年賀状がグッと洗練された印象となります。
1-1. フォントが年賀状の印象を左右する理由
フォントとは、同じデザイン様式で統一された文字の集まり、つまり「書体」のことです。私たちは無意識のうちに、文字の形からさまざまな印象を受け取っています。例えば、力強い文字からは元気な印象を、繊細な文字からは上品な印象を受けるでしょう。
年賀状は、年に一度、大切な方へ送る特別な挨拶状です。「たかが文字、されど文字」という言葉があるように、手書きの文字にその人の人柄が表れるのと同じで、パソコンで使うフォントにも、その書体をデザインした人の意図や個性が宿っています。フォントを意識的に選ぶことで、丁寧な気持ち、親しい気持ち、楽しい気持ちなど、あなたが伝えたい「心」を文字の印象に乗せて、相手に届けることができるのです。
1-2. 代表的な5つの書体(明朝体・ゴシック体など)の特徴
フォントには数多くの種類がありますが、まずは代表的な書体の特徴を知ることから始めましょう。それぞれの印象と用途を理解すれば、フォント選びがずっと簡単になります。
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明朝体(みんちょうたい)
筆で書いたような、線の強弱や「はね・はらい」が特徴です。中国の明の時代に生まれたとされる、歴史ある書体です。知的で上品、そしてフォーマルな印象を与えるため、目上の方への年賀状や、落ち着いた伝統的な和風のデザインに適しています。また、長い文章でも読みやすいという利点もあります。 -
ゴシック体
線の太さがほぼ均一で、装飾が少なく力強い点が特徴です。視認性が非常に高く、遠くからでも認識しやすいため、看板などにもよく使われます。モダンでカジュアル、そして親しみやすい印象を与えることから、親しい友人や家族へのメッセージや、写真入り年賀状のコメントなど、読みやすさを重視したい場合に最適です。 -
楷書体(かいしょたい)
一画一画を丁寧に書いたような、毛筆の基本となる書体です。非常にフォーマルであり、礼儀正しい印象を与えます。特に「謹賀新年」といった四文字の賀詞との相性が抜群で、厳粛で格式高い雰囲気をもたらします。上司や恩師など、特に敬意を払うべき相手の宛名書きならば、もっともおすすめの書体です。 -
行書体(ぎょうしょたい)
楷書体を少し崩した、流れるような筆運びが特徴の書体です。楷書体よりも少しやわらかく、上品かつ動きのある印象となります。丁寧でありながらも、温かみや親密さを表現したい場合に適しており、フォーマルな挨拶文に少々個性を加えたいときに重宝するでしょう。 -
デザイン書体(ポップ体・手書き風など)
丸みを帯びた文字や、手で書いたような温かみのある文字、ユニークな形をした文字など、個性豊かでデザイン性の高い書体の総称です。親しみやすく、楽しい雰囲気を演出できるため、友人向けのカジュアルな年賀状で活躍します。このように、デザインの主役にもなりうる存在感を持っています。
1-3. 失敗しないために押さえるべき注意点
フォントを選ぶ際には、いくつか注意したいポイントがあります。これらを押さえて、誰にとっても好印象な年賀状作りを心がけましょう。
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読みやすさを第一に
「可読性」は、フォント選びの基本です。凝ったデザインのフォントは魅力的ですが、読みにくくなってしまっては挨拶状としての役割を果たせません。特に、住所や氏名、小さな文字で書くメッセージは、誰が読んでもストレスのないフォントを選び、配慮を忘れないようにしましょう。 -
使いすぎに注意して統一感を出す
1枚の年賀状に対し、あれもこれもとたくさんの種類のフォントを使うと、全体的にまとまりがなく、雑多で読みにくい印象となってしまいます。使用するフォントは、賀詞用の「メインフォント」、本文用の「ベースフォント」、メッセージ用の「アクセントフォント」など、役割を決めて2〜3種類ほどに絞ると、すっきりと洗練されたデザインになります。 -
送る相手への配慮を忘れない
もっとも大切なポイントは、送る相手との関係性を考えることです。親しい友人へ送るようなポップなフォントを上司に使うと、敬意が伝わりにくく、場合によっては失礼だと受け取られてしまう可能性があります。相手に気持ちよく新年を迎えてもらうためにも、相手に合わせたフォント選びは、年賀状の基本的なマナーと心得ましょう。
2. 【相手別】失礼にならない!定番フォントの選び方

ここでは、実際にどのようなフォントを選べば良いのか、送る相手別の具体的なおすすめをご紹介します。相手の顔を思い浮かべながら、最適なフォントを選んでみましょう。
2-1. 上司・恩師など目上の方へのおすすめ
上司や恩師、取引先といった目上の方へ送る年賀状では、何よりも丁寧さと敬意が伝わることが大切です。そのため、格式高く、フォーマルな印象のフォントを選びましょう。ポップ体や丸みの強い文字は、カジュアルすぎる印象を与えかねないため、避けるのが賢明です。s
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宛名:楷書体
もっとも丁寧な印象の楷書体は、宛名に最適です。礼儀の正しさが伝わり、良い印象を与えてくれます。 -
挨拶文(賀詞・本文):明朝体、行書体、毛筆フォント
本文には、上品で落ち着いた印象の明朝体が基本です。賀詞である「謹賀新年」には、力強い毛筆フォントを使うと、より一層厳かで、新年らしい雰囲気を演出できます。なお、少しやわらかな雰囲気を加えたい場合は、行書体を選ぶのも良いでしょう。
2-2. 親戚・家族など親しい方へのおすすめ
親戚や家族には、丁寧さを保ちつつも、温かみや親しみが伝わるフォントがおすすめです。読みやすさを重視しながら、少しだけデザイン性のあるものを選んでみましょう。特に、家族写真を入れる場合は、写真の雰囲気にフォントを合わせることが大切です。例えば、お子様の元気な笑顔の写真ならば「丸ゴシック体」、家族そろっての少し改まった写真ならば「明朝体」を選ぶと、デザインに一体感が生まれます。
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宛名:楷書体、ゴシック体
基本的には、読みやすい楷書体やゴシック体が安心です。 -
挨拶文(賀詞・本文):明朝体、丸ゴシック体
本文は明朝体で丁寧に仕上げつつ、手書きのメッセージを添える部分には、少しやわらかい印象の「丸ゴシック体」や「手書き風フォント」を使うと、親密な雰囲気が増して心のこもった一枚になります。
2-3. 友人・同僚へのおすすめ
親しい友人や同僚には、あなたの個性や楽しさが伝わるような、より自由なフォント選びが可能です。年賀状のデザインや、伝えたい雰囲気に合わせ、親しみを込めたフォントを選んでみましょう。例えば、共通の趣味をテーマにしたデザインに合わせて、少しユニークなフォントを選ぶのも楽しいかもしれません。
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宛名:ゴシック体、デザイン書体
読みやすさを確保できるゴシック体のほか、デザインに合っていれば、少し個性的なフォントを使っても良いでしょう。 -
挨拶文(賀詞・本文):ゴシック体、ポップ体、手書き風フォント
カジュアルで元気な印象のゴシック体や、楽しさを演出できるポップ体がぴったりです。また「A Happy New Year」のように、英語の賀詞とも相性が良いでしょう。また、写真に添える一言コメントなどに手書き風フォントを使うと、温かいメッセージがよりストレートに伝わります。
3. 【無料】で使える!年賀状におすすめの定番フォント
パソコンで年賀状を作成するならば、無料でダウンロードできるフォントを活用しない手はありません。ここでは、品質が高く、年賀状作りにも安心して使える定番の無料フォント※をご紹介します。
※無料フォントを利用する際は、必ず配布サイトの「利用規約」を確認しましょう。個人的な年賀状作成での利用は許可されている場合がほとんどですが、例えば自営業の方が仕事の取引先へ送る場合は「商用利用」と見なされる可能性もあります。ルールを守って正しく使うことが大切です。
3-1. フォーマルな印象を与える厳選フォント
目上の方への年賀状にも使える、品格のある明朝体系フォントです。
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IPAex明朝 / IPA明朝
多くのパソコンに標準でインストールされていることもあり、非常に読みやすく、かつ美しい定番の明朝体です。フォント選びに迷ったら、この「IPAex明朝 / IPA明朝」を選べば間違いないでしょう。 -
Noto Serif JP
GoogleとAdobeが共同開発したフォントで、信頼性が高いです。Webから紙媒体まで、どのような場面でも安心して使えます。 -
さわらび明朝
少しレトロなデザインで、やさしい雰囲気を持つ明朝体です。堅苦しくなりすぎず、上品で温かみのある印象を与えたいときに最適でしょう。
3-2. 親しみやすいカジュアル・デザインフォント
友人や家族向けの年賀状にぴったりな、読みやすく親しみのあるフォントです。
- Noto Sans JP
「Noto Serif JP」と同じシリーズのゴシック体で、こちらも非常に汎用性が高く、本文から宛名まで幅広く使えます。また、クリアで読みやすい点が特徴です。 - M PLUS Rounded 1c
角が丸くなった「丸ゴシック体」で、やさしく、かわいらしい印象を与えます。お子さまの写真を使った年賀状や、ポップなイラストのデザインによく合います。
3-3. 温かみを伝える手書き風・毛筆フォント
手書きのような温かみをプラスしたいときに最適なフォントです。
- 衡山毛筆フォント(こうざんもうひつふぉんと)
書道家・青柳衡山先生による、力強く美しい毛筆フォントです。無料で利用できるとは思えないほどのクオリティで、賀詞などに使うと年賀状全体が引き締まった仕上がりとなります。 - たぬき油性マジック
油性マジックで書いたような、親しみやすく、インパクトのある手書き風フォントです。元気な挨拶や、面白い一言を添えたいときに活躍します。
4. すぐに実践!フォントをパソコンで使うための基本手順
お気に入りのフォントを見つけたら、さっそくご自身のパソコンにインストールして使ってみましょう。インストールの手順は、とても簡単です。
4-1. フォントのダウンロードと利用規約の確認
まずは、使いたいフォントを配布しているWebサイトから、フォントファイルをダウンロードします。
ファイルはZIP形式などで圧縮されていることが多いため、ダウンロード後に解凍(展開)してください。
このとき、改めて利用規約に目を通し、年賀状のような個人利用が許可されているか、禁止事項(フォントファイルの再配布など)はないかを確認しましょう。運営者が明確で、利用規約がきちんと記載されている信頼できる配布サイトを選ぶことも、安全に利用するための大切なポイントです。
4-2. Windowsでのインストール手順
Windowsパソコンでは、以下の手順で簡単にインストールできます。
- 解凍したフォルダの中から、フォントファイル(拡張子が「.ttf」や「.otf」のもの)を見つけます。
- フォントファイルを右クリックします。
- 表示されたメニューの中から「インストール」をクリックすれば完了です。
インストール後、Wordや年賀状作成ソフトなどのアプリケーションをすでに開いている場合は、一度再起動しないと新しいフォントが反映されないことがありますので、この点にご注意ください。
4-3. Macでのインストール手順
Macの場合は「Font Book」というアプリケーションを使って管理します。
- 解凍したフォルダの中から、フォントファイル(拡張子が「.ttf」や「.otf」のもの)を見つけます。
- フォントファイルをダブルクリックします。
- 「Font Book」が起動し、フォントのプレビュー画面が表示されます。
- 画面の右下にある「フォントをインストール」ボタンをクリックすれば完了です。
Windows同様、インストール後にアプリケーションの再起動が必要となる場合があります。
まとめ
今回は、年賀状のフォント選びについて、基本的な書体の種類から相手別の選び方、無料で使えるおすすめフォントまで、幅広く解説しました。
- フォントの基本:明朝体はフォーマル、ゴシック体はカジュアルなど、書体によって与える印象が大きく異なります。
- 相手別の選び方:目上の方には楷書体や明朝体、親しい友人にはデザイン書体など、送る相手への配慮が大切です。
- 実践のポイント:無料フォントも活用できますが、インストール方法や利用規約の確認を忘れずに行いましょう。
フォントは「おめでとう」や「ありがとう」など、あなたの気持ちを代弁してくれる大切な要素です。本記事が、あなたにとって最高の年賀状を作成する一助となれば幸いです。相手を思いながら心を込めてフォントを選び、ぜひ素敵な年賀状を完成させてみてください。
記事の監修者

.a Career代表
国家資格キャリアコンサルタント/ワークプレイスハラスメントカウンセラー/研修講師。
医療・航空・行政で培った経験を活かし、品格ある接遇やビジネスマナー、書面での礼節(年賀状・挨拶状・ビジネス文書など)に関する研修を実施。組織の信頼と品質向上を支援し、企業研修や講演でも高い評価を得ている。



