【文例集つき】年賀状に使える四字熟語40選!相手・状況別にそのまま使える言葉を解説

「あけましておめでとうございます」だけでは少し物足りない、年賀状に気の利いた一言を添えたいけれど、どんな言葉を選べばいいか分からない。そんな風に悩んでいませんか?
ありきたりな挨拶ではなく相手への気持ちや新年の抱負を的確に伝えられるのが「四字熟語」です。しかし種類が多く、意味を間違えたり、相手に失礼になったりしないか不安に思う方も多いでしょう。
この記事では、年賀状に最適な四字熟語を状況別に厳選してご紹介します。さらに本記事の最大の特徴は「相手別の具体的な文例集」です。上司や友人など送る相手に合わせてそのまま使える例文を豊富に用意しました。
この記事を最後まで読めば、あなたの伝えたい気持ちにぴったりの四字熟語が見つかり、心のこもった知的な年賀状を迷わず作成できるようになります。
1. 年賀状に四字熟語を添える、3つのメリット
普段あまり使う機会のない四字熟語ですが、年賀状で活用することには多くのメリットがあります。定番の挨拶に添えるだけで、あなたの気持ちがより深く、そしてスマートに伝わるようになります。
ここでは、年賀状に四字熟語を使うことで得られる3つのメリットを詳しく見ていきましょう。
1-1. メリット1:知的な印象を与えられる
年賀状に「謹賀新年」や「恭賀新年」といった四字熟語が添えられていると、受け取った側は丁寧で落ち着いた印象を受けるものです。ありきたりな挨拶だけでなく、相手のために言葉をきちんと選んでいるという心遣いが伝わるため、知性や教養を感じさせることができます。
特に、目上の方への年賀状では、言葉選びへの配慮が敬意の深さとして伝わり、より良い関係を築くきっかけにもなるでしょう。印刷された年賀状でも、手書きで四字熟語を一言添えるだけで、ぐっとパーソナルな温かみが加わります。
1-2. メリット2:新年の抱負を簡潔に伝えられる
「今年は新しいことに挑戦するぞ」という決意や、「目標に向かって努力し続けたい」という気持ちを、長い文章で書くのは少し照れくさいかもしれません。そんなとき、「心機一転」や「初志貫徹」といった四字熟語を使えば、あなたの新年にかける抱負や決意を、簡潔かつスマートに表現することができます。
例えば「今年は勇往邁進の年にしたいです」と一言添えるだけで、目標に向かって力強く進んでいくという意気込みが伝わります。短い言葉に想いを込めることで、相手にもあなたの前向きな姿勢がしっかりと伝わるでしょう。
1-3. メリット3:相手への気持ちを深く表現できる
相手の健康や幸せを願う気持ちは、年賀状で伝えたい大切なメッセージの一つです。「無病息災」や「笑門来福」といった四字熟語には、古くから人々が大切にしてきた願いが込められています。
これらの言葉を用いることで、「お体を大切にしてください」や「楽しい一年になりますように」といったメッセージが、より深く、心のこもったものとして相手に届きます。
四字熟語は、いわば先人たちの知恵と願いが凝縮された「言霊」のようなもの。短い言葉で相手を思いやる気持ちを的確に伝えられるのは、四字熟語ならではの大きな魅力です。
2. 【願い・状況別】年賀状で使える定番の四字熟語40選
ここからは、実際に年賀状で使える四字熟語を、伝えたい願いや状況別に40語厳選してご紹介します。それぞれの言葉が持つ意味を知ることで、あなたの気持ちにぴったりの一つがきっと見つかるはずです。
2-1. まずはコレ!定番で使いやすい四字熟語
新年の挨拶として広く使われている、定番の四字熟語です。どれを使えばいいか迷ったときは、ここから選ぶとよいでしょう。
- 謹賀新年(きんがしんねん):つつしんで新年のお祝いを申し上げます。
- 恭賀新年(きょうがしんねん):うやうやしく新年のお祝いを申し上げます。
- 迎春万歳(げいしゅんばんざい):新年を迎え、そのおめでたさが永く続くことを祈る言葉。
- 瑞気集門(ずいきしゅうもん):めでたい気が家の門に集まってくる様子。
- 万象更新(ばんしょうこうしん):すべての物事が新しくなること。
- 慶雲昌光(けいうんしょうこう):めでたい雲と輝かしい光。幸先の良い兆し。
- 和気致祥(わきちしょう):穏やかで和やかな気分が、幸せを呼び込むこと。
- 景星慶雲(けいせいけいうん):めでたいことの起こる前兆。
- 初春来福(しょしゅんらいふく):新春に福が訪れることを願う言葉。
- 慶賀光春(けいがこうしゅん):輝かしい新春を喜び祝うこと。
2-2. 相手の健康や長寿を願う四字熟語
家族や親戚、恩師など、大切な方の健康や長生きを願う気持ちを伝えたいときにぴったりの言葉です。
- 無病息災(むびょうそくさい):病気をせず、健康であること。
- 身体健全(しんたいけんぜん):心も体も健やかなこと。
- 長楽万年(ちょうらくまんねん):楽しみが長く続くこと。長寿を祝う意味も。
- 延年転寿(えんねんてんじゅ):長生きを喜び、さらに寿命が延びることを願う言葉。
- 福寿海無量(ふくじゅかいむりょう):幸福や長寿が、海のように無限でありますように。
- 亀鶴之寿(きかくのじゅ):亀や鶴のように非常に長生きであること。
- 万寿無疆(ばんじゅむきょう):限りなく長生きすること。長寿を祝う最上の言葉。
- 平康正直(へいこうしょうちょく):心が穏やかで、すこやかで、素直なこと。
- 安居楽業(あんきょらくぎょう):穏やかな生活を送り、自分の仕事を楽しむこと。
- 息災延命(そくさいえんめい):災いをなくし、長生きすること。
2-3. 成功や発展、繁栄を祈る四字熟語
ビジネス関係者や、新しい挑戦をする友人など、相手の活躍や成功を応援する気持ちを伝えるのに適しています。
- 商売繁盛(しょうばいはんじょう):商いが栄え、利益が上がること。
- 順風満帆(じゅんぷうまんぱん):物事が順調に進むこと。
- 社運隆盛(しゃうんりゅうせい):会社の運気が高まり、勢いよく栄えること。
- 事業繁栄(じぎょうはんえい):事業が立派に栄えること。
- 千客万来(せんきゃくばんらい):多くの客が次々とやってくること。
- 大展鴻図(たいてんこうと):大きな計画や事業を広げること。
- 一帆風順(いっぱんふうじゅん):物事がきわめて順調に進むことのたとえ。
- 前途洋々(ぜんとようよう):未来が明るく開けていること。
- 旭日昇天(きょくじつしょうてん):朝日が昇るように、勢いが盛んなこと。
- 飛龍乗雲(ひりゅうじょううん):英雄が時流に乗って才能を発揮すること。
2-4. 新しい年の決意や努力を示す四字熟語
自分自身の近況報告として、新年の目標や決意を伝えたいときに使える言葉です。前向きな気持ちが伝わります。
- 心機一転(しんきいってん):あるきっかけを機に、気持ちをすっかり新しくすること。
- 初志貫徹(しょしかんてつ):最初に心に決めた志を最後まで貫き通すこと。
- 勇往邁進(ゆうおうまいしん):目標に向かって、勇ましくひたすら前進すること。
- 日進月歩(にっしんげっぽ):日に日に、絶えず進歩していくこと。
- 一意専心(いちいせんしん):ひたすら一つのことに心を集中すること。
- 百折不撓(ひゃくせつふとう):何度失敗しても、くじけずに立ち上がること。
- 駑馬十駕(どばじゅうが):才能がなくても、努力を続ければ優れた人に追いつけること。
- 精神一到(せいしんいっとう):精神を集中すれば、どんなことでも成し遂げられること。
- 粉骨砕身(ふんこつさいしん):力の限り努力すること。
- 臥薪嘗胆(がしんしょうたん):目的を達成するために、苦労を重ねること。
3. 【相手別】そのまま使える!四字熟語の年賀状文例集

四字熟語は、誰にでも同じものを使えばいいというわけではありません。相手との関係性に合わせて言葉を選ぶことが大切です。
ここでは、送る相手別に、そのまま使える具体的な文例をご紹介します。
3-1. 上司・恩師など目上の方への文例
目上の方へは、敬意を表す「謹」や「恭」の字が入った賀詞を選び、丁寧な言葉遣いを心がけましょう。旧年中の感謝に加え、相手の健康や活躍を気遣う一言を添えると、より一層気持ちが伝わります。
<文例1>
謹賀新年
旧年中は格別のご指導を賜り 厚く御礼申し上げます
本年も変わらぬご厚情を賜りますよう お願い申し上げます
皆様の益々の御健勝と御多幸を心よりお祈り申し上げます
<文例2>
恭賀新年
昨年は大変お世話になり ありがとうございました
先生におかれましては どうか御身体を大切に
穏やかな一年をお過ごしください
先生のますますのご健勝とご活躍を心よりお祈り申し上げます
3-2. 取引先などビジネス関係者への文例
ビジネスで年賀状を送る場合は、会社のさらなる発展を願う言葉や、今後の良好な関係を願う言葉を選びましょう。フォーマルで誠実な印象を与えることが大切です。
<文例3>
謹賀新年
旧年中は格別のご愛顧を賜り 誠にありがとうございました
本年も貴社の社運隆盛を心よりお祈り申し上げますとともに
変わらぬお引き立てのほど よろしくお願い申し上げます
<文例4>
恭賀新年
旧年中のご厚情に深く感謝申し上げます
本年も一意専心に貴社のお役に立てるよう
社員一同 一層の努力を重ねてまいる所存です
貴社のますますのご発展を心よりお祈り申し上げます
3-3. 同僚や友人への文例
親しい間柄の同僚や友人には、少しカジュアルで温かみのある言葉を選ぶとよいでしょう。相手との関係性を示すような四字熟語を添えると、あなたらしい年賀状になります。
<文例5>
あけましておめでとうございます
昨年は公私にわたり大変お世話になりました
〇〇さんのおかげでいつも笑顔が絶えません
まさに笑門来福ですね
本年もどうぞよろしくお願いいたします
<文例6>
あけましておめでとうございます
昨年は趣味の〇〇で意気投合できて本当に楽しかったね
今年も一緒にたくさんの思い出をつくりましょう
お互いにとって飛躍の一年となりますように
また近いうちにおいしいものでも食べに行きましょう
3-4. 親戚や家族への文例
親戚や家族には、一家の幸せや健康を願う、温かい言葉を選びましょう。なかなか会えない相手には、再会を願う言葉を添えるのも喜ばれます。
<文例7>
あけましておめでとうございます
昨年は何かとお世話になり ありがとうございました
皆様の家内安全とご健康を心よりお祈りしております
本年も家族一同 どうぞよろしくお願いいたします
<文例8>
新年おめでとうございます
ご無沙汰しておりますが お元気でお過ごしでしょうか
皆様にはお変わりなくお過ごしのこととお慶び申し上げます
本年が皆様にとって無病息災で幸多き年となりますようお祈り申し上げます
またお会いできる日を楽しみにしております
4. 知っておきたい、四字熟語を使う際の注意点
年賀状で四字熟語を使う際には、いくつかのマナーがあります。せっかくの挨拶で相手に失礼な印象を与えてしまわないよう、基本的な注意点を確認しておきましょう。
4-1. 賀詞の重複は避ける
賀詞(がし)とは、「謹賀新年」や「あけましておめでとうございます」といった新年を祝う言葉のことです。これらを一つの年賀状で同時に使うのは、「明けましておめでとうございます、おめでとうございます」と繰り返しているのと同じで、間違いとされています。
例えば、「謹賀新年」という四字熟語を使ったのであれば、本文で「あけましておめでとうございます」と書くのは避けましょう。賀詞は一つに絞るのが正しいマナーです。
4-2. 相手との関係性に合った言葉を選ぶ
賀詞には、それぞれ敬意の度合いが異なります。特に「賀正」や「迎春」といった漢字一文字や二文字の賀詞は、相手への敬意を簡略化した表現とされています。そのため、これらを目上の方に使うと「相手を敬っていない」「マナーを知らない」と受け取られかねず、失礼にあたる可能性があります。
上司や恩師など目上の方へは、「謹(つつしんで)」や「恭(うやうやしく)」といった、相手への敬意や丁寧さを示す漢字が含まれた四文字の賀詞を選ぶのが鉄則です。
4-3. ネガティブな意味や別れの言葉は使わない
新年のお祝いである年賀状では、縁起の悪い言葉や物事の終わりを連想させる「忌み言葉」は避けるのがマナーです。例えば、「去年」の「去」は「去る」を連想させるため、「昨年」や「旧年中」という言葉を使うのが一般的です。
そのほかにも「失う」「絶える」「衰える」「病む」といった言葉は使わないように注意しましょう。
同様に、四字熟語にも「四苦八苦」や「悪戦苦闘」など、苦労や困難を連想させる言葉は、新年の挨拶にはふさわしくありません。言葉の意味をよく確認し、おめでたい場面に合った言葉を選びましょう。
4-4. 句読点は使わないのが基本マナー
日本の伝統的な書状では、原則として「、」(読点)や「。」(句点)といった句読点は使いません。これには、「お祝い事には区切りをつけない」という縁起を担ぐ意味合いが込められています。また、もともと毛筆で文章を書いていた文化の名残という側面もあります。
句読点がないと文章が読みにくいと感じる場合は、句読点の代わりにスペース(空白)を一文字分入れたり、適切な場所で改行したりすることで、文章のリズムを整え、読みやすさを確保することができます。このひと工夫で、マナーを守りつつも相手に配慮した年賀状を作成できます。
まとめ

この記事では、年賀状に使える四字熟語を「願い・状況別」のリストと、「相手別」の具体的な文例集を交えてご紹介しました。
四字熟語はただ知的に見えるだけでなく相手の健康や成功を願う深い気持ちや、自分自身の新年にかける決意を短い言葉で的確に伝えてくれる便利な言葉です。リストから伝えたい気持ちに合う言葉を選び、文例を参考に少しアレンジするだけで、あなたの年賀状はより心のこもった特別なものになるはずです。
今年の年賀状はぜひ素敵な四字熟語を添えて、大切な方へ真心を伝えてみてはいかがでしょうか。
記事の監修者

.a Career代表
国家資格キャリアコンサルタント/ワークプレイスハラスメントカウンセラー/研修講師。
医療・航空・行政で培った経験を活かし、品格ある接遇やビジネスマナー、書面での礼節(年賀状・挨拶状・ビジネス文書など)に関する研修を実施。組織の信頼と品質向上を支援し、企業研修や講演でも高い評価を得ている。



