コラム

ビジネスで出す年賀状 やってしまいがちな失敗例

2024.10.29
ビジネスで出す年賀状 やってしまいがちな失敗例

会社で年賀状を出すときは、ビジネスマンとして、社会人としての常識が問われるもの。賀詞の使い方や宛名の書き方、年賀はがきのデザインの選び方によって、ビジネスマナーを持っているかどうかが見破られてしまいます。
できて当然、失敗したら恥ずかしいと思われるので、かなりプレッシャーが掛かりますが、次にご紹介する常識とマナーを覚えてしまえば、それほど難しいものではありません。

ここでは失敗例を挙げて、好印象を相手に残すためのコツをお伝えします。

使ってはいけない賀詞とは

まず賀詞で2文字の「賀正」「迎春」「頌春」「慶春」などは目上や敬うべき相手に使うものではありません。ビジネスにおいては相手に敬意を払うことを欠かしてはいけません。きちんと4文字の賀詞である「謹賀新年」を使うようにしましょう。
「謹」という文字は相手への敬意を表する意味を持ちます。

宛名の書き方の失敗例

まず宛名を書くときは住所の番地部分に洋数字を使わないのが一般的なマナーです。相手の社名も(株)など省略せずに書きます。 「御中」と「様」の使い分けについては、会社全体や部署に出すならば「御中」です。

「株式会社ABC 御中」
「株式会社ABC 営業部 ○○課 御中」などを書きましょう。

担当者個人に出すならば
「株式会社ABC 営業部 ◯◯課長 山田一郎様」
「株式会社ABC 営業部 課長 山田一郎様」

ビジネスの関係で出すならば、連名で送ることも避けましょう。担当者一人ひとりに宛てて書くのが礼儀の基本です。
その際、送り漏れがあるとこれも失礼に当たるので、リストのチェックをしっかり行いましょう。また自分の社名、所属も省略してはいけません。ていねいに作成することを心がけましょう。

添え書きで書いてはいけないこと

まず「去年」の「去」といった忌み言葉はNGです。また謹賀新年と書いたあとに「明けましておめでとうございます」などと賀詞を重複させてはいけません。年賀状の場合句読点は用いないのが正式なマナーです。
ときおり見かける「新年あけましておめでとうございます」という賀詞も、一般的には「旧年が明けて新年になる」のだから 「新年(が)明けまして」という表現はおかしいとされています。異論もあるようですが、世間一般的に 「新年あけましておめでとうございます」は誤った使い方とされていますので、避けるようにしたほうがよいでしょう。
先方の会社で不幸があった場合、会社という法人同士では年賀状を出すことに特に問題はありません。

一言でも相手を想い、その方だけに宛てた手書きメッセージは心が温まるものです。

下記の例を参考にしてみてくださいね。

ビジネス年賀状一言例

・本年もお力添えのほどよろしくお願い致します

・本年も皆様のお役に立てるよう 一層の努力をもってご厚情にお応えしてまいります

・本年も変らぬご愛顧のほど心よりお願い申し上げます

・本年もなお一層のお引き立てを賜りますようお願い申し上げます

ビジネス上で用いるに適していない年賀状のデザイン

ビジネスマナーとして会社を通した関係の相手に送るわけですから、友人などに送るカジュアルな年賀状デザインとは明確に区別したデザインを送るようにしましょう。
社長としての立場で出すならば、自社の社員達を収めたような写真年賀状はよいでしょうが、一社員として出す場合は、添え書きを書くスペースがあり、自社の業務内容が伝わるような、控えめのデザインが適切です。趣味性を強く出すことや、あまりにウケ狙いとわかるようなものは、色々な人に見られる可能性を考慮すると避けたほうがよいでしょう。
郵便局のプリントサービスにてビジネス用年賀状のカテゴリーを検索すると、適したデザインを簡単に探すことができます。

いつまでに投函すれば元日に到着する?

年賀郵便特別取扱は、12月15日から受付が始まります。
地域や地方の郵便事情にもよりますが、一般的には12月25日までに投函すると元日に届くと言われています。

一般的に年賀状は元日に届ける事が礼儀とされています。
昔は1月2日の「書き初め」に年賀状を書いていたと言われ、松の内(1月7日・もしくは15日)までに届けば失礼にはあたらないでしょう。

なんらかの理由でどうしてもお相手に1月7日もしくは15日までに届くよう投函できない場合は、寒中見舞いはがきを利用するとよいでしょう。例年年賀状をだしている方に「今年は〇〇会社から年賀状が届かなかったな。どうかしたのかな?」と心配させてしまったというケースもありますので、年賀状は忘れずに出すようにしましょう。

とはいえ、年末に向けて忙しく年賀状の準備が大変といった声はよく耳にします。

そのような場合は、年賀状印刷サービスの宛名印刷サービスも利用して、一言メッセージを書くだけの状態で手元に来るように手配しましょう。宛名をていねいに数多く書くのは意外と手間がかかりますのでとても便利ですよ。是非、便利なサービスを利用して年賀状準備をしてください。

誤字脱字に気を付ける

年賀状の準備が終わりいざポストに投函!の前に今一度、宛名に間違いがないか一言メッセージに失礼なことを書いていないか、誤字はないかなど必ずチェックしましょう。

ビジネス年賀状では大切なお得意先や顧客宛ての年賀状が多いのでとくに注意してチェックするといいでしょう。万が一、相手の名前の漢字や役職などが間違ってしまった場合、その後の関係性にまで悪影響をおよぼすこともあります。急いでいてもひと手間かけてチェックすることは重要です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。最低限のポイントに絞りましたが、ここに書いてあるマナーを守れば、年賀状を出すことはとくに難しいことではありません。郵便局のプリントサービスの年賀状印刷ではビジネス用途にも使える年賀状デザインを多数ありますので、是非一度ご覧になってください。

記事の監修者

中川 越〈なかがわ・えつ〉

1954(昭和29)年 東京品川生まれ。手紙文化研究 、コラムニスト 、イラストレイターとして幅広く活躍。
古今東西、有名無名を問わず、各種手紙に取材し、手紙の在り方、表現の工夫、コミュニケーションの本来について、日々探求を続けている。