コラム

ビジネスで出す年賀状 顧客向けにふさわしいデザインとは

2025.09.01
ビジネスで出す年賀状 顧客向けにふさわしいデザインとは

ビジネス関係の得意先や、顧客に対し、年賀状で新年の挨拶をするという人は今でもたくさんいます。年賀状はちょっとした挨拶かもしれませんが、やはりもらうと誰でも嬉しく、相手に好印象を与えることができるでしょう。
出すからには、それなりの経費と労力を必要とするものですから、極力印象に残り、好印象を与えられるものを制作したいものです。
ここではビジネス年賀状を制作する際に注意したいポイントをご紹介いたします。

ビジネス年賀状の書き方についてのポイント

宛名書きのポイントは下記となります。

  • ・(株)など略称は使わず株式会社と正しく書く

  • ・相手の名前が一番大きくなるように書く、社名はその次で、住所の文字は小さく

  • ・役職は名前の上に正式名称で、長い場合は2行に分けて書く

  • ・○○様 といった表記をする

好印象を与えるデザインとは

では受け取った相手に好印象を与えるデザインとはどのようなものでしょうか。
まずどこから送られてきたか、相手にひと目で伝わるものにしましょう。文字だけでは印象に残らず、こちらの思いも満足に伝わりません。また年賀状であるということも伝わるように、干支やおめでたい柄を絡めたものがよいでしょう。

ビジネス年賀状 文例

例文(1)

旧年中の格別のお引き立てをいただき誠にありがとうございました
本年もご高配を賜りますよう どうぞ宜しくお願い申し上げます
令和○年 元旦

例文(2)

旧年中は人かたならぬご愛顧に与り厚く御礼を申し上げます
社員一同本年もお客様のために一丸となって邁進してまいります
どうぞよろしくお願い申し上げます
令和○年 元旦

例文(3)

平素のご厚情を深謝し皆様のご繁栄を
心からお祈り申し上げます
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます
令和○年 元旦

添え書きで書いてはいけないこと

まず「去年」の「去」といった忌み言葉はNGです。
また謹賀新年と書いたあとの「明けましておめでとうございます」は重複の意味になります。
また、年賀状の場合、句読点は用いませんので、文末に“。”をつけないようにしましょう。もうひとつ覚えておきたいことは、年賀状のなかで賀詞は重複させないということ。「迎春」と書いた横に添え書きで 「あけましておめでとうございます」などと書くのは間違いです。年賀状の書き方の基本を踏み外さないようにしましょう。

ときおり見かける「新年あけましておめでとうございます」という賀詞も、一般的には「旧年が明けて新年になる」のだから 「新年(が)明けまして」という表現はおかしいとされています。
国語学者のなかには異論もあるようですが、世間一般的に 「新年あけましておめでとうございます」は誤った使い方とされていますので、避けるようにしたほうがよいでしょう。
先方の会社で不幸があった場合、会社という法人同士では年賀状を出すことに特に問題はありません。

ビジネス上で用いるに適していない年賀状のデザイン

会社を通した関係の相手に送るわけですから、友人などとは明確に区別したデザインを送るようにしましょう。
社長としての立場で出すならば、自社の社員達を収めたような写真年賀状は良いでしょうが、 一社員として出す場合は、添え書きを書くスペースがあり、自社の業務内容が伝わるような、控えめのデザインが適切です。

趣味性が強いデザインや、あまりにウケ狙いとわかるようなものは色々な人に見られる可能性を考慮すると避けたほうがよいでしょう。
干支や富士山などお正月らしいモチーフの年賀状を選べば間違いありませんが、どのデザインを選べばいいか悩まれている方は郵便局のプリントサービスにて法人さま向けのデザインが多数用意されていますので、探してみるのもよいでしょう。

年賀状の投函はいつまでが最適?

年賀郵便特別取扱は、12月15日から受付が始まります。
地域や地方の郵便事情にもよりますが、一般的には12月25日までに投函すると元日に届くと言われています。

一般的に年賀状は元日に届ける事が礼儀とされています。
昔は1月2日の「書き初め」に年賀状を書いていたと言われ、松の内(1月7・もしくは15日)までに届けば失礼にはあたらないでしょう。お相手に1月7日までに届くよう投函できない場合は、寒中見舞い用のはがきを利用するとよいでしょう。

寒中見舞いはがきは、年賀状への返礼や喪中はがきを出せなかった方への年賀欠礼のご挨拶にもご利用いただけます。「今年はあの人から年賀状が届かなかったな。どうかしたのかな?」と心配させてしまったといケースもありますので、忘れずに出すようにしましょう。

ビジネス年賀状のように送り先が多い場合、「宛名を書き時間が確保できない!」ということもあると思います。宛名は長い住所、会社名や部署など書く項目も多く、意外と時間のかかる作業です。

そんなときは年賀状印刷サービスで、宛名書きサービスも同時に利用することをおすすめします。
宛名書きも済んだ状態で手元に届けば、一言メッセージを記入してポスト投函するだけでとても便利です。
年末に向けてバタバタする時期ではありますが、ビジネス上、年賀状の到着が遅れるという失礼がないよう計画的に早めの準備をしてくださいね。

誤字脱字に気を付ける

年賀状の準備が終わりいざポストに投函!の前に今一度、宛名に間違いがないか一言メッセージに失礼なことを書いていないか、誤字はないかなど必ずチェックしましょう。

ビジネス年賀状では大切なお得意先や顧客宛ての年賀状が多いので、とくに注意してチェックする必要があります。
万が一、お名前の漢字や役職などが間違ってしまった場合、その後の関係性にまで悪影響を及ぼすこともあります。急いでいてもひと手間かけてチェックすることは重要です。

記事の監修者

中川 越〈なかがわ・えつ〉

1954(昭和29)年 東京品川生まれ。手紙文化研究 、コラムニスト 、イラストレイターとして幅広く活躍。
古今東西、有名無名を問わず、各種手紙に取材し、手紙の在り方、表現の工夫、コミュニケーションの本来について、日々探求を続けている。