コラム

コロナで結婚式延期!? 年賀状はどうする? 入籍して初めての年賀状とは

2024.07.10
コロナで結婚式延期!? 年賀状はどうする? 入籍して初めての年賀状とは

新型コロナウイルスの影響で、やむなく結婚式を延期した場合、年賀状はどのようにするのがよいのでしょうか。すでに入籍をすませている2人が初めて出す年賀状に添えるひとこと文例や、写真載せ方について、注意しなければならないポイントをご紹介します。
新型コロナウイルスの影響で、やむを得ず結婚式を延期した新郎新婦も多くいらっしゃると思います。また、日を改めて結婚式を開催する、あるいは結婚式はしないことにした方もおられると思います。そのような場合、年賀状にはどのようなひとことを添えればよいのか、悩んでしまう場合があるかもしれません。
結婚式の延期を決めた時点で、お詫びの連絡をしたことと思いますが、やはり、2人の近況や抱負などとともに新年のご挨拶をしたいものです。
入籍して初めての年賀状は、ぜひ2人で心を込めて作りましょう。

コロナで結婚式を延期したときの年賀状に添えるひとこと文例

結婚を祝う言葉や、結婚式を延期したことに対する気遣いなどをいただいた方には、感謝の気持ちとともに、やがて開かれる結婚式で会えることを楽しみにしているということを伝えるとよいでしょう。

なお、年賀状に書く文章には句読点を使わないのがマナーという考え方と、句読点を入れてもよいという考え方の両方があります。前者は旧来の考え方ですが、最近は句読点を入れるものも少なくありません。句読点は相手の読みを助けるもので、尊敬する相手を助ける行為はおこがましく失礼なので、あえて句読点を入れません。
しかし句読点を入れる場所を一字空きにすることも多いので、句読点を入れてもよいだろうという考え方が最近は増えてきたようです。

また、本来改まった書状は毛筆で書くため、句読点のような記号は使いませんでした。そのため、それにならい、句読点を使わない活字の組み方が一般的に広まったものと思われます。

親戚や仕事関係など目上の方へ

「旧年中は私たちの結婚式にさまざまなお心遣いをいただき

ありがとうございました

挙式が決まり次第ご連絡いたしますので

ご出席いただけましたら幸甚に存じます

みなさまのご健康とご多幸をお祈りいたします」

「先日はお心のこもったお祝いを頂戴し

誠にありがとうございました

私たちの結婚式は延期となりましたが

新たに決まりました挙式当日にお会いできることを

2人で心より楽しみにしております

まだまだ未熟な私たちではございますが

本年もどうぞよろしくお願いいたします」

「旧年中は大変お世話になりました

入籍して初めてのお正月を2人で穏やかに過ごしております

結婚式は延期となってしまいましたが

新たな日程による挙式にはご出席いただけるとのこと 心より感謝しております

当日お目にかかれることを楽しみにしております

時節柄ご自愛くださいませ」

友人へ

「昨年はお世話になりました

結婚式の日程変更にこころよいお返事をいただき

本当に嬉しかったです

当日会えることをとても楽しみにしています

体を大切によいお正月を過ごしてくださいね」

「昨年はいろいろと気遣ってくれてどうもありがとう

○○の優しい気持ちにとても助けられました

結婚式は延期になってしまったけれど

改めて決まった挙式に来てくださるとのこと 会えるのがとても待ち遠しいです」

「先日は素敵なお祝いをどうもありがとう

入籍後初めてのお正月に2人で嬉しく使わせていただいています

延期になってしまったけれど

結婚式に出席してもらえることを とてもうれしく思っています

体に気を付けて よいお正月を迎えてね」

「昨年は大変お世話になりました
結婚式の開催につきましてご出席のお返事を頂き 誠にありがとうございました
両家で話し合った結果 残念ですが結婚式を中止にすることにしました
今後とも変わらぬお付き合いをどうぞ宜しくお願い致します」

コロナで結婚式を延期したときの年賀状の写真はどうする?

結婚式が終わっていれば、年賀状に結婚式の写真を使えますが、結婚式が延期になった場合はどのような写真を使えばよいのか悩んでしまうこともあるでしょう。

ここでは、3つのパターンをご紹介しましょう。

2人の普段の写真を使う

まだ結婚式を挙げていないけれど、入籍をすませて一緒に暮らし始めているのですから、年賀状には2人の普段の姿の写真を使うとよいでしょう。

旅行に行ったときのものや、新居でのツーショットなど、2人が仲よく新生活を始めている様子が伝わるものを選んでください。

結婚式の前撮りの写真を使う

既に前撮りがすんでいる場合は、前撮り写真を年賀状に使ってもよいでしょう。

ただし、その場合は「○月に撮影しました」など、写真にひとこと添えておくことをおすすめします。

何も書き添えずに送ってしまうと、「あれ?結婚式って延期するんじゃなかったの?」と混乱させてしまいかねません。

写真を使わない

写真を使わずにイラストを使う、シンプルに文字だけにするといった方法でもよいでしょう。

書き文字に自信があれば、毛筆でしたためると相手によい印象を与えられるのでおすすめです。

入籍後初めての年賀状で失敗しないために

まだ結婚式はしていなくても、2人で新しい生活を始めたことを報告する年賀状では、絶対に失敗はしたくないものです。

ここでは、気づかずに使ってしまいがちな「忌み言葉」と、意外と見落としがちな間違いについて、確認しておきましょう。

コロナ禍だからこそ、気を付けるべき言葉もありますので、しっかりチェックしてください。

忌み言葉を避ける

言葉の意味や音から不吉なことを連想してしまう言葉のことを「忌み言葉」といいます。

お祝いの場では、忌み言葉を避けるのがマナーです。

もちろん、新年のご挨拶にも忌み言葉は使ってはいけません。

代表的な忌み言葉

普段よく使っているなかにも忌み言葉はたくさんあります。

年賀状にもつい書いてしまっているかもしれません。以下が忌み言葉の例ですから、注意して使わないようにしましょう。

なお、以下にご紹介する言葉は、漢字そのものにマイナスのイメージがあるため、その漢字を使ったほかの言葉も使わないほうが無難です。たとえば、「切る」という言葉だけでなく、「切断」「切実」「切迫」なども避けます。

・切る(切れる)・去る(「去年」ではなく「旧年」や「昨年」を使う)・終わる・落ちる・病む・離れる・失う・倒れる・破れる・枯れる・滅びる・絶える・衰える・暗い・痛む(痛い、苦しい)

Withコロナ時代だからこそ注意したい忌み言葉

コロナ禍「禍(わざわい)」という字が含まれているため、やはり新年を祝う年賀状にはふさわしくありません。

また、結婚式が延期になって相手に迷惑を掛けてしまったことに対して「心苦しい」と書きたくなるかもしれませんが、こちらも「苦」が入っているため避けたほうがよいでしょう。

賀詞や年号の書き方にも注意

意外と見落とされがちなのが、賀詞や年号の書き方の間違いです。

賀詞は重複や使い分けに注意する

賀詞とは、「謹賀新年」や「あけましておめでとうございます」など、年賀状の最初に書く祝意の言葉です。

ついやってしまいがちなのが、写真やイラストに「謹賀新年」や「賀正」などと入っているにもかかわらず、さらに「あけましておめでとうございます」と書いてしまうこと。どちらも賀詞であるため、賀詞の重複となってしまいます。

また、「賀正」「初春」「迎春」のような2文字の賀詞は、目上の人に使うとぞんざいで失礼な印象があるため、「謹賀新年」や「謹んで新春のお慶びを申し上げます」といった賀詞を使うのがよいでしょう。

送る相手に応じて適切な賀詞を使うことも、大切なマナーです。

年号や日付も正しく書く

年号や日付はあまり注意せずに書いてしまいがちですが、きちんと意味を把握しておかないと、おかしな書き方になってしまう恐れがあります。

たとえば、「元旦」は「一月一日の朝」、「元日」は「一月一日」を意味します。

そのため、「令和六年一月一日 元旦」や「令和六年一月 元日」などと書くと、意味が重複してしまいます。

「令和六年 元旦」や「令和六年 一月一日」などと書くのが正解です。

まとめ

入籍後初めての年賀状は、心を込めて失敗のないように作りましょう。

結婚式を延期せざるを得なくなっても、2人の新しい生活が始まったことは喜ばしいことです。

そのことを親しい人やお世話になった方にご報告すると同時に、延期した結婚式で会えることを心待ちにしている気持ちや、相手への気遣いなどがしっかりと伝わるような年賀状を作ってください。

2人で作る初めての年賀状は、きっとWithコロナ時代の不安な空気に優しいぬくもりをもたらしてくれることでしょう。

記事の監修者

中川 越〈なかがわ・えつ〉

1954(昭和29)年 東京品川生まれ。手紙文化研究 、コラムニスト 、イラストレイターとして幅広く活躍。
古今東西、有名無名を問わず、各種手紙に取材し、手紙の在り方、表現の工夫、コミュニケーションの本来について、日々探求を続けている。