コラム

年賀状を手書きする時のマナーやルールを解説

2024.07.04
年賀状を手書きする時のマナーやルールを解説

最近では年賀状を印刷して作成することも増えました。しかし、たまには気分を変えて年賀状を手書きしたり、宛名は手書きにしたりすることもあるのではないでしょうか。
また、印刷された年賀状に、手書きで一言メッセージを添えると喜ばれます。
今回は、年賀状を手書きする時のマナーやルールなどをご紹介します。

年賀状の裏面を手書きする時のマナーやルール

手書きで年賀状を作成する際には、マナーやルールなどで悩んでしまう人も多いのではないでしょうか。
ここでは、年賀状を手書きで作成する際の基本的なマナーやルールをご紹介します。

年賀状を手書きする際の筆記具

年賀状は、新年のおめでたい時期に送る挨拶状です。そのため、太くて濃く書かれた文字の方が、縁起がよいとされています。毛筆、筆ペン、文字の太さに変化をつけやすい万年筆などで書くのがおすすめです。

ただし、こうした筆記具は普段から使っていないと、失敗しやすい可能性が高くなります。慣れない筆記具を使い、何枚も書き損じを出してしまってはもったいないでしょう。

「手書きできちんと書こう」という気持ちを大切にさえすれば、ボールペンなど書きなれた筆記具を使っても失礼にはなりません。 ただし、インクボテや擦れの出るようなボールペンや筆記具は避けます。鉛筆や消せるボールペンなども使わないのが常識です。

裏面の基本的な書き方

文字そのものを丁寧に書くことも大切ですが、年賀状全体のレイアウトも大切です。

・賀詞(見出し文字)

「謹賀新年」などの賀詞(見出し文字)は、本文よりも大きめの文字で書きます。字間を少し空けて書く場合もあります。賀詞(見出し文字)を書く際には、上下に1.5センチほど余白を作るときれいに見えます。

・本文
本文は、見出しより一字下げ、上下は1.5cmほど余白を作ります。本文の文字は賀詞(見出し文字)よりかなり小さくして、字間は空けずに書きます。

・日付
日付は本文よりもさらに下げた位置から書き始めます。
文字を書く際には、ほんの少し右上がりを意識するとよいとされることがあります。
ただし、文字が右上がりすぎると、きつい印象を与えてしまいます。また逆に右下がりになると、文字の形が崩れ、見苦しくなるので注意しましょう。

年賀状の宛名書きを手書きする時のコツ

年賀状の宛名が気も、毛筆や万年筆などが理想とされていますが、書きなれていない場合は、ボールペンなどでも問題ありません。
ただし、インクボテの出やすいクオリティーの低い油性ボールペンは避け、そうした心配のない水性ボールペンを用いるのがよいでしょう。

これだけは気をつけよう!宛名書きのマナー

宛名は黒色で書くのが基本です。また、間違えてしまったら新しいハガキに書き直しましょう、修正ペンや二重線で消すのはマナー違反になります。

旧字体の名前の方は、正しく書きます。「澤」「邉」「齋」のような苗字は間違えやすいので注意しましょう。
また、敬称を間違えないようにします。

宛名書きのコツ

達筆でなくても、丁寧に書かれた文字は気持ちが伝わります。
年賀状は枚数が多いため、気を抜くと雑になったり、力の抜けた字になったりしてしまうこともあります。一枚ずつ、ゆっくりと書きましょう。

・住所
相手の氏名と住所の書き出しは、同じ高さに揃える必要はありません。住所は名前よりもやや高い位置から書き始めます。

・名前
相手の名前は、ハガキの中心に書きます。「様」を名前より一回り大きくすると、バランスがよくなります。

・差出人の名前と住所
差出人の名前と住所を書くときも、住所を名前よりもやや高い位置から書きます。そして、差出人の住所と名前は、切手の幅に収まるように書きましょう。

・書く時は左から
自分の手にインクがついてしまい、ハガキを汚してしまう可能性があるため、左から書きましょう。自分の名前→自分の住所→相手の名前→相手の住所の順番で書くのがおすすめです。

横書きの場合

横書きの場合は、切手の下を1cmほど開けて宛先を書きましょう。宛名は、ハガキの上限の中央を目安にします。差出人の住所と名前は、右下部分に書きましょう。

文字を書く時の注意点

手書きをする際には、以下の点に注意しましょう。

文字を間違えた時

年賀状で文字を間違えた時は、修正液や修正テープで直さずに、新しいハガキに書き直しましょう。あらかじめ年賀ハガキは多めに用意しておくことをおすすめします。

間違えたハガキは、郵便局で手数料5円を支払えば、通常のハガキや切手と交換することができます。

句読点は使わない

「、」や「。」などの句読点は、年賀状では使わないようにします。毛筆文化では句読点を使わないためです。

また、「区切り」にもなる句読点は、縁起が悪く、敬遠されるのも理由の一つです。一文が長くなりそうな場合は、改行や空白な度をうまく使い、全体のバランスを整えましょう。

文字をまっすぐ書くのが難しい場合

文字をまっすぐ書くのが難しく、曲がりやすい場合は、上から紙を重ねるのがおすすめです。紙があることで基準線ができ、まっすぐに文字を書きやすくなります。

まとめ

年賀状と言えば印刷が一般的になりましたが、宛名や添書きは手書きにする方も多くいます。
手書きをする際には、自分が書きなれた筆記具を使い、一枚一枚丁寧に書きましょう。

1年に1回しかない機会ですので、オリジナリティを加えて、温かみのある年賀状を作成してみてはいかがでしょうか。

記事の監修者

中川 越〈なかがわ・えつ〉

1954(昭和29)年 東京品川生まれ。手紙文化研究 、コラムニスト 、イラストレイターとして幅広く活躍。
古今東西、有名無名を問わず、各種手紙に取材し、手紙の在り方、表現の工夫、コミュニケーションの本来について、日々探求を続けている。